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連載|熊崎敬【蹴球日本を考える】「ゴールを見失ったことがない」フォルランの別格 縦を突くサッカーはこうして成立する

カテゴリ:Jリーグ

熊崎敬

2015年04月02日

間髪入れずにシュートを撃ち、相手の意表を突いた。

70分、ロングパスを受け、鮮やかにゴールを射抜いたフォルラン。「背中を向けてもゴールがどこにあるか分かっている」との言葉にW杯得点王の矜持が。 (C) J.LEAGUE PHOTOS

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 春の嵐の中で行なわれた千葉とC大阪の無敗対決(4月1日のJ2・5節)は、後半だけで8ゴールが飛び出すスペクタクルなゲーム(4-4)となった。
 
 8ゴール中6ゴールを外国人が決めたが、その中でも別格の存在感を示したのがフォルランだ。2ゴール・1アシスト。特に70分の1点目は「これがストライカーだ!」と言わんばかりのゴールだった。
 長谷川アーリアジャスールからのロングパスを、右斜め前に走りながらトラップしたフォルランは、そのまま右足を振り抜いて逆サイドのネットを揺さぶってしまった。
 
 後ろからのボールを前に走りながらトラップして、間髪入れずにシュートを撃つ。この動きに千葉は完全に意表を突かれた。
 フォルランにはCB大岩一貴がついていたが、足を出さずにシュートを見送ることになった。なぜならボールを受けたとき、フォルランはゴールを見ていなかったからだ。大岩としては、敵が一度ボールを落ち着かせて、視野を確保すると思ったのだろう。
 
 このゴールについて、フォルランは次のように振り返った。
「トラップが少し流れたが、逆サイドを狙おうと思っていた。背中を向けていても、ゴールがどこにあるか分かっている。私はサッカー人生で、一度もゴールを見失ったことがないんだ。あのタイミングで、キーパーはシュートを撃つとは思っていなかっただろう」
 
 南アフリカでワールドカップ得点王になったウルグアイ人は、敵が「まさか、こんなタイミングで」、「こんなところから」、「こんな体勢で」と思ったときにシュートを撃つ。実際に彼のゴールは、派手さはないが敵の意表を突いたものが多い。
 これはフォルランがテクニックを最大限に発揮するだけでなく、敵の心理を読みながらプレーしていることを物語る。敵の心理を読まなければ、敵の意表を突くことはできないからだ。
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