独立独歩でいながら、チームのために身を捨てられるシャビ・アロンソ。
シャビ・アロンソは常に沈着な選手だ。驚いて行動する、というような慌てたところがない。どんな劣勢であっても、“これは遊技だ”という達観と“男子の本懐を遂げる”という覚悟の両方で挑んでいる。男としての余裕が見え、こうした仲間がいる集団というのは強固だ。
事実、彼の所属するチームは大きな成功を収めている。若き日に在籍したレアル・ソシエダはリーガ・エスパニョーラで熾烈な優勝争いを演じ、リバプールはフットボール史に残る逆転劇で欧州王者に君臨。レアル・マドリーも欧州王者、リーガ王者、国王杯優勝とタイトルを総なめにした。
また、スペイン代表もEURO、そしてワールドカップを制覇。現在所属するバイエルン・ミュンヘンも、記録的な強さを見せる。
シャビ・アロンソは、戦闘者としての徳をほぼ性質的に持っていたそうだ。エチャリはそこに目を付けた。近著『おれは最後に笑う』(東邦出版)でも書き記しているが、バスク人MFの言葉は骨っぽい。
「僕はどんな時もベストを尽くすだけさ。自分自身の力なんてちっぽけなもの。チームのために、身を粉にして働けるかどうか。厳しい戦いをひとりで勝ち抜くことなんてできない」
歴代監督たちが、ピッチの将軍たるシャビ・アロンソに全幅の信頼を寄せたのは必然だった。決して徒党を作らず、監督に追従する腰巾着にもならない。独立独歩でいながら、チームのために身を捨てられる。こうした存在は希有と言える。
「チームの勝利がすべてさ」
シャビ・アロンソは行動によってその言葉を裏付けてきた。その義侠心と惻隠の情は、至高の武士、いや一流のフットボーラーの証だろう。
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。01年にバルセロナへ渡りライターに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写。近著に『おれは最後に笑う』(東邦出版)。
事実、彼の所属するチームは大きな成功を収めている。若き日に在籍したレアル・ソシエダはリーガ・エスパニョーラで熾烈な優勝争いを演じ、リバプールはフットボール史に残る逆転劇で欧州王者に君臨。レアル・マドリーも欧州王者、リーガ王者、国王杯優勝とタイトルを総なめにした。
また、スペイン代表もEURO、そしてワールドカップを制覇。現在所属するバイエルン・ミュンヘンも、記録的な強さを見せる。
シャビ・アロンソは、戦闘者としての徳をほぼ性質的に持っていたそうだ。エチャリはそこに目を付けた。近著『おれは最後に笑う』(東邦出版)でも書き記しているが、バスク人MFの言葉は骨っぽい。
「僕はどんな時もベストを尽くすだけさ。自分自身の力なんてちっぽけなもの。チームのために、身を粉にして働けるかどうか。厳しい戦いをひとりで勝ち抜くことなんてできない」
歴代監督たちが、ピッチの将軍たるシャビ・アロンソに全幅の信頼を寄せたのは必然だった。決して徒党を作らず、監督に追従する腰巾着にもならない。独立独歩でいながら、チームのために身を捨てられる。こうした存在は希有と言える。
「チームの勝利がすべてさ」
シャビ・アロンソは行動によってその言葉を裏付けてきた。その義侠心と惻隠の情は、至高の武士、いや一流のフットボーラーの証だろう。
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。01年にバルセロナへ渡りライターに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写。近著に『おれは最後に笑う』(東邦出版)。