痛恨のミスを取り返したT・シウバの“決勝ゴール”

縦への推進力を発揮してゴールを呼び込んだのがこのラベッシ。ブラン監督の交代策が当たった。 (C) Getty Images

PK献上のミスを取り返す意地の一発を決めたT・シウバ。この“決勝ゴール”は勇敢に戦い続けたパリSGへの正当な報酬だったはずだ。 (C) Getty Images
4)追いつめられての交代カードが奏功
試合がやっと動き出したのは残り15分を切ってから。ひとり少ないがゆえの疲労からやや足が止まったパリSGに対して、チェルシーがやっと攻撃の圧力を高める。
ウィリアンのスルーパスで裏に抜け出したラミレスのシュート(チェルシーが流れの中から作り出した唯一の決定機だった)はGKシリグの好セーブに阻まれたものの、その後のCKのこぼれ球をケイヒルがねじ込み、残り10分でチェルシーがリード。勝ち上がりの権利をさらに強固にする。
ブラン監督が交代のカードを切ったのは、この失点で追いつめられてから。ヴェッラッティ、マテュイディという2人のMFを下げ、FWラベッシとMFラビオを投入、システムはT・モッタとラビオが中盤を支え、前線にラベッシ、カバーニ、パストーレが並ぶ4-2-3となった。
結果的に、この交代は大当たり。ラベッシが攻撃に縦の推進力を加えたことでチェルシーを受けに回らせ、二度のCKを立て続けにもぎ取って、その2つ目からD・ルイスの同点ゴールが生まれたからだ。これでスコアは2試合合計2-2とまったくのイーブンになり、試合は延長に突入する。
5)T・シウバ、意地の決勝ゴール
延長に入って5分足らず、それまでまったくミスをせず、素晴らしい読みと抜群のスピードでチェルシーのチャンスの芽を摘み取ってきたT・シウバが、ハイボールの競り合いであまりにも不用意なハンドを犯し、PKを与えてしまう。
パリSGが素晴らしかったのは、心身の疲労が限界に達していたであろうこの状況でも、落胆することなく勝利の可能性を信じて戦い続けたところ。
延長後半の112分、ほかでもないT・シウバがCKからの会心のヘディングシュートをクルトワのスーパーセーブに阻まれながら、その流れからのCKに再び頭で合わせてゴールネットを揺らすという劇的な“決勝ゴール”を挙げたのは、そこまでの110分あまり、チェルシーに試合を支配させることなく10人で戦い続けたその内容に対する、正当な報酬だった。
文:片野道郎
試合がやっと動き出したのは残り15分を切ってから。ひとり少ないがゆえの疲労からやや足が止まったパリSGに対して、チェルシーがやっと攻撃の圧力を高める。
ウィリアンのスルーパスで裏に抜け出したラミレスのシュート(チェルシーが流れの中から作り出した唯一の決定機だった)はGKシリグの好セーブに阻まれたものの、その後のCKのこぼれ球をケイヒルがねじ込み、残り10分でチェルシーがリード。勝ち上がりの権利をさらに強固にする。
ブラン監督が交代のカードを切ったのは、この失点で追いつめられてから。ヴェッラッティ、マテュイディという2人のMFを下げ、FWラベッシとMFラビオを投入、システムはT・モッタとラビオが中盤を支え、前線にラベッシ、カバーニ、パストーレが並ぶ4-2-3となった。
結果的に、この交代は大当たり。ラベッシが攻撃に縦の推進力を加えたことでチェルシーを受けに回らせ、二度のCKを立て続けにもぎ取って、その2つ目からD・ルイスの同点ゴールが生まれたからだ。これでスコアは2試合合計2-2とまったくのイーブンになり、試合は延長に突入する。
5)T・シウバ、意地の決勝ゴール
延長に入って5分足らず、それまでまったくミスをせず、素晴らしい読みと抜群のスピードでチェルシーのチャンスの芽を摘み取ってきたT・シウバが、ハイボールの競り合いであまりにも不用意なハンドを犯し、PKを与えてしまう。
パリSGが素晴らしかったのは、心身の疲労が限界に達していたであろうこの状況でも、落胆することなく勝利の可能性を信じて戦い続けたところ。
延長後半の112分、ほかでもないT・シウバがCKからの会心のヘディングシュートをクルトワのスーパーセーブに阻まれながら、その流れからのCKに再び頭で合わせてゴールネットを揺らすという劇的な“決勝ゴール”を挙げたのは、そこまでの110分あまり、チェルシーに試合を支配させることなく10人で戦い続けたその内容に対する、正当な報酬だった。
文:片野道郎