【CLポイント解説】引いた相手から7点!! 完璧だったバイエルン

カテゴリ:ワールド

遠藤孝輔

2015年03月12日

連係、意思疎通も申し分なく、密集地でのパスワークもスムーズ!!

1)趨勢を決した史上最速の退場劇
 
 試合の趨勢を決したのは、チャンピオンズ・リーグ史上最速となる退場劇だった。
 
 シャフタールのCBクチェルが、エリア内に進入したゲッツェを倒すファウルを犯し、わずか3分でピッチを後にしたのだ。第1レグをスコアレスドローで切り抜け、自信を深めていたアウェーチームにとっては文字通りの痛恨で、仮に直後のPKを防いでいても、勝ち上がりの芽は膨んでいなかったはずだ。
 
 実際、その後のピッチで繰り広げられたのは、バイエルンが一方的に攻め込むワンサイドゲームだった。人もボールも動く自慢のパスワークで主導権をがっちりと掴んだドイツ王者は、守備ブロックを揺さぶるサイドチェンジを主武器に、引いて守るシャフタールを難なく攻略した。
 
 終わってみれば、大量7得点を奪う圧巻のゴールショーを披露したバイエルンが、大会最多14回目となるベスト8進出を果たした。
 
2)第1レグの不出来を帳消しに
 
 右足首の故障で交代を余儀なくされた59分まで、バイエルンの攻撃陣を牽引したのはリベリ。左サイドのタッチライン際に張り付かず、頻繁に中央部へ侵入してはボール回しの潤滑油となり、長短自在の正確なパスを幾度となく繰り出した。
 
 特に冴えていたのが、ラフィーニャへのボール供給。19分にロッベンが負傷交代しても、右サイドからの攻撃力が著しく下がることがなかったのは、この右SBの攻撃参加をうまく活用していたからだ。
 
 リベリのハイライトはパスだけではない。49分にはアラバとのワンツーで敵のゴール前まで進入すると、右足を振り抜いてチーム3点目をゲット。その2分後にはミュラーのゴールに結びつく縦への鋭い突破を見せるなど、低調だった第1レグのパフォーマンスからは一転、キレのあるプレーを随所に見せつけた。
 
3)引いた相手を崩した多彩な攻め
 
 ニアサイド、中央部、ファーサイドと蹴り分けていたCKを含め、バイエルンが繰り出した攻撃は多彩だった。
 
 リベリやアラバが鋭いドリブル突破を見せれば、レバンドフスキやミュラーを標的としたラフィーニャのクロスや、敵2ライン(DFとMF)間のギャップを突くシュバインシュタイガーの縦パスが冴え渡る。
 
 選手同士の連係や意思疎通は申し分なく、人が密集するバイタルエリアでのパス交換などもスムーズだった。
 
 なかでも引き出しの多さを感じさせたのは、34分に決まった2点目。相手エリア内まで攻め上がったボアテングが、右サイドからのクロスに打点の高いヘッドを合わせると、そのこぼれ球を最後はみずから叩き込んだ。
 
 シャフタールの選手全員が自陣深くまで引き、カウンターを浴びるリスクが小さかったとはいえ、流れのなかで2人のCBのうちの1人が最前線まで飛び出す仕掛けは意外性十分だった。
 
4)完璧だったバイエルンの“玉にキズ”
 
 敵将ルチェスクに「言うことはほとんどない。大敗して悲しい」と言わしめるほど、結果も内容もほとんどパーフェクトだったバイエルンの“玉にキズ”は、バドシュトゥバーとボアテングの両CBが警告を受けたことくらいか。
 
 バドシュトゥバーは相手のショートカウンターを防ぐ目的の意図的なファウルを、後者はリベリを後ろから小突いたD・コスタに猛抗議した姿を咎められた。
 
 特に悔やまれるのは、ボアテングのほうだ。頭に血が上りやすく、不要なカードを提示されがちな悪癖を改めて露呈してしまった。
 
文:遠藤孝輔

【写真で回想】バイエルン栄光のCL史

守る相手を崩せなかった第1レグの反省を活かして大勝したバイエルン。前回対戦で拙攻の要因となったリベリが活躍を見せたことも、このチームの学習能力の高さを感じさせた。 (C) Getty Images

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全ては開始3分の退場劇で決まった。グアルディオラ監督も「相手が1人少なくなり、両サイドを完全に支配できるようになった」と勝因を語っている。 (C) Getty Images

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