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【名古屋】リーグ最少失点を誇っていたチームがまさかの公式戦2戦連続で3失点…今何が必要なのか?

カテゴリ:Jリーグ

今井雄一朗

2020年09月06日

一矢報いた稲垣は「もう1回自分たちらしさを…」

今季初ゴールを挙げた稲垣(中央)。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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 一方で名古屋はここ数試合で懸案事項だったサイドの活用法にはっきりした答えが出ておらず、マテウスや前田、相馬の孤軍奮闘の感はむしろ加速。高い貢献度を示していた金崎夢生のポストプレーも、周囲のサポート不足からかワンタッチコントロールよりも背負う回数の方が増え、この日は体格と読みに勝る犬飼智也の餌食になった。

 後半からは「より守りを固めてくる鹿島は絶対に真ん中を抜かせてはくれないので、サイドから攻めるんだ」(フィッカデンティ監督)と山崎凌吾を投入したが、肝心のクロスを上げる策は前述の通りに乏しく、阿部浩之の起用も焼け石に水。待望のプレーメーカー復帰も、チーム全体の動きが鈍ければ決定機づくりは難しい。

 結果、名古屋はまんまと先制を許し、追加点を決められる。一矢報いるも、突き放されて試合を閉じられた、という鹿島らしい試合に落とし込まれてしまった。そこには上位を争うに至った堅実な強さは見当たらず、戦い方が乏しく迫力と闘争心に欠ける凡庸さばかりが目についた。特に1失点目と3失点目の守備陣のボールの追い方は、どこか他人任せの印象が見えて残念さが強い。
 
「もう1回自分たちらしさを見つめ直して、それを表現できるようにしていきたい」と稲垣は試合後に語ったが、改善の道はその一言に尽きるだろう。体力的な厳しさはあっても、諦めていては戦いが成り立たない。それは守備に限らず、攻撃陣の奮起もまた必要不可欠な要素になる。

 この日の失点は守備陣が苦しくても、シンプルに前に預けられない展開が招いた結果でもある。蹴っても跳ね返ってくる、すぐに守備が待っている、と思えば自陣深くに蹴られても簡単にはクリアと考えられないだろう。そこでつなごうとした結果が、2失点目のミスからのショートカウンターにつながったところもある。

 何が強みでどこならアドバンテージが握れるのか、それを試合ごとに把握し徹底することで、彼らは上位に位置するだけの勝点を稼いできたはずである。そのことをいま一度振り返り、自省し、戦いを整えなければここからはジリ貧である。

 ルヴァンカップのFC東京戦、そしてリーグ鹿島戦と3失点での公式戦連敗を喫したチームは岐路に立たされたとまでは言わないが、ここでリーグでの連敗となると旗色は悪くなっていくことを、肝に銘じた方がいい。

取材・文●今井雄一朗(フリーライター)

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