【名古屋】一時は出場すら危ぶまれたトリオが放つ強烈な存在感!ゴールラッシュに見たチームの進化

カテゴリ:Jリーグ

今井雄一朗

2020年08月09日

名古屋はまた一つ、勝ち方を覚えたに違いない。

この日先発した金崎(左)、G・シャビエル(中)、前田(右)。(C)SOCCER DIGEST

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[J1リーグ9節]名古屋6ー2浦和/8月8日(土)/豊田スタジアム

 2失点がかすむほどのゴールラッシュに、名古屋のさらなる進化を見た90分間だった。

 コンディショニングと戦術整備、対戦相手分析といった事前の準備と、試合の機微を逃さない狡猾なチーム意識の統一感。浦和の選手たちの強烈な個性が嘘のように右往左往する様は、堂々と活き活きとプレーを連ねていく名古屋の選手たちとこれ以上ないコントラストを描いた。名古屋はまた一つ、勝ち方を覚えたに違いない。

 もっとも、ここまでの点差と内容の違いが出てしまったのは、浦和の不調にも起因するということを前提としたいところ。杉本健勇とレオナルドのツートップは特に前半、ボールの収まりが悪く、積極的に押し上げていく仲間たちに時間も選択肢も与えられずにいた。鈴木大輔とトーマス・デンの2CBのインテンシティは低くはなかったのだが、金崎夢生の頑健さに太刀打ちできず、スピードのある2列目アタッカー陣にはコンタクトすら叶わなかった。

 チームの前後ブロックが落ち着かなければ、中盤とて仕事はしにくいもの。そのためか攻撃も守備も緩急がなく、相手のチェンジオブペースに置き去りにされる数があまりにも多すぎた。どこかきれいにサッカーをしようとしている感覚がどうにも拭えなかった印象だ。
 
 堅実かつ重厚な守備と、速攻ベースの多彩なオフェンスを得意とする名古屋にとっては、そうした相手は緩慢に見えて仕方がなかったのではないか。立ち上がりの相手の迫力を受け止めると、9分にいきなり先制点を決め、浮足立った浦和の陣地にあっという間に攻守の拠点を築き上げていった。左サイドからの崩しを最後は前田直輝が決めると、1分後にまたも左サイドからのアシストパスを前田が流し込み、18分にはセットプレーからジョアン・シミッチが頭で叩き込んだ。浦和のCB2名に競り勝って沈めたヘディングシュートは、極めてシンプルなショートコーナーに合わせたもので、どれだけ浦和が集中できていなかったか、あるいは研究されてきたかを象徴するような失点だった。

 前半にはもう2点を追加した名古屋だが、前田の3点目とガブリエル・シャビエルのゴールはともにカウンターに分類されるもので、どちらもやはりセンターバックが対応に戸惑ううちに決めきってしまった素早いゴールだった。縦パスにトリッキーなターンで反転したシャビエルからのお膳立ても、相手の決定機からのクリアを金崎がつないだシャビエルの持ち出しも、同じ右サイドのスペースを利して選択したもの。

 浦和の山中亮輔はいわゆる偽サイドバックのポジショニングを繰り返していたが、「ボールを取った後にはCBの脇が空いてくる」(前田)という対策によって狙われたポイントでもある。かなり釣り出されているからこそ距離が詰めきれず、スピードに翻弄された面には情状酌量の余地はあるが、それにしても軽々と突破を許してしまったものである。
 

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