前述のオランダ代表においても、世代交代を加速させた。その意味でバルサだからと言ってよそ行きになることも、影響力を誇示する必要もない。これまで示してきた通りのリーダーシップを発揮し再びバルサを戦う集団に変貌させることが新監督に課された使命だ。

　チャンピオンズカップ初制覇、ラ・リーガ４連覇といった現役時代の輝かしい功績は、新たな英雄を待望するバルセロニスタへの格好の訴求力になりうるし、そのカリスマ性こそバルトメウ会長が期待している部分でもある。

　就任会見で見せた内面から溢れ出るエネルギーは、相変わらずの空虚な発言に終始した会長とあまりにも対照的だった。

　クーマンがウェンブリーで強烈な弾丸シュートをネットに突き刺し、バルサの歴史は変わった。今度はその伝説FKに相通じるバイタリティーを前面に押し出して指揮官として変革の使者になる覚悟だ。

文●ラモン・ベサ（エル・パイス紙バルセロナ番）
翻訳●下村正幸

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