疑問を残したディ・マッテオの采配。

痛恨のミスでロイスにゴールを献上するなど結果的に3失点を喫したとはいえ、再三に渡るファインセーブを褒めるべきだろう。19歳の守護神ヴェレンロイターは、シャルケが完敗から見出せる唯一の光明だ。 (C) Getty Images

香川とは対照的に、攻守に精彩を欠いた内田。失点につながるミスも……。 (C) Getty Images
3)唯一の救いは若き守護神の奮闘
ディ・マッテオ監督が「まったく別のプランを思い描いていた。良かったのは最初の10分だけ。ファンに謝罪しなければならない」と肩を落としたシャルケにとっては、悪夢のような90分だったはずだ。攻守ともにポジティブな収穫を見出すのは容易ではない。
その中で唯一の救いは守護神の健闘か。雨あられのようにシュートを浴びても、78分の失点まで無傷で耐えられたのは、19歳のヴェレンロイターが好守を連発していたから。
バックパスの処理を誤り、86分の3失点目を招いたミスは痛恨だったが、本来の序列は3番手――1~2番手は負傷離脱中――というこのGKの活躍がなければ、0-5、0-6という歴史的なスコアで敗れていたかもしれない。
一方、頼みの綱だった主砲フンテラールは、そもそもボールに触れる機会が少なすぎた。良い状態で前を向いてボールを持ったのは、66分のカウンター発動時くらい。しかし、そのチャンスは獅子奮迅の働きを見せていたフンメルスに、ハーフウェーラインを越えたあたりであっさり阻まれた。
4)不可解だったディ・マッテオ采配
不可解だったのはディ・マッテオの采配だ。軌道に乗っていた3-5-2ではなく、3-4-2-1に切り替えた結果、MFヘーガー、アオゴ、ボアテングの守備時における役割分担が曖昧になった印象が否めない。
例えば、ボアテングは前線でプレッシングするのか、リトリートして守備ブロックの一角になるのかがはっきりしなかった。
これといった打開策を提示せず、前半から明らかに悪かった流れを断ち切れなかった点を含め――交代枠も使い切らなかった――、選手たちの混乱を招いた指揮官の罪は小さくない。
5)精彩を欠いた内田
最後に、膝と太腿痛により出場が危ぶまれていた内田について。スタメンに名を連ねたものの、他のチームメイト同様、攻守に精彩を欠いた。
【写真】内田篤人「ブンデス戦記」vol.1
【写真】内田篤人「ブンデス戦記」vol.2
イージーな横パスではなく、CFめがけた仕掛けのパスが少なくなかったとはいえ、パスミスはチームワーストの17本。79分にはゴール前への戻りが遅れ、マークしていたムヒタリアンに勝負の行方を大きく左右する2点目を奪われた。
文:遠藤孝輔
ディ・マッテオ監督が「まったく別のプランを思い描いていた。良かったのは最初の10分だけ。ファンに謝罪しなければならない」と肩を落としたシャルケにとっては、悪夢のような90分だったはずだ。攻守ともにポジティブな収穫を見出すのは容易ではない。
その中で唯一の救いは守護神の健闘か。雨あられのようにシュートを浴びても、78分の失点まで無傷で耐えられたのは、19歳のヴェレンロイターが好守を連発していたから。
バックパスの処理を誤り、86分の3失点目を招いたミスは痛恨だったが、本来の序列は3番手――1~2番手は負傷離脱中――というこのGKの活躍がなければ、0-5、0-6という歴史的なスコアで敗れていたかもしれない。
一方、頼みの綱だった主砲フンテラールは、そもそもボールに触れる機会が少なすぎた。良い状態で前を向いてボールを持ったのは、66分のカウンター発動時くらい。しかし、そのチャンスは獅子奮迅の働きを見せていたフンメルスに、ハーフウェーラインを越えたあたりであっさり阻まれた。
4)不可解だったディ・マッテオ采配
不可解だったのはディ・マッテオの采配だ。軌道に乗っていた3-5-2ではなく、3-4-2-1に切り替えた結果、MFヘーガー、アオゴ、ボアテングの守備時における役割分担が曖昧になった印象が否めない。
例えば、ボアテングは前線でプレッシングするのか、リトリートして守備ブロックの一角になるのかがはっきりしなかった。
これといった打開策を提示せず、前半から明らかに悪かった流れを断ち切れなかった点を含め――交代枠も使い切らなかった――、選手たちの混乱を招いた指揮官の罪は小さくない。
5)精彩を欠いた内田
最後に、膝と太腿痛により出場が危ぶまれていた内田について。スタメンに名を連ねたものの、他のチームメイト同様、攻守に精彩を欠いた。
【写真】内田篤人「ブンデス戦記」vol.1
【写真】内田篤人「ブンデス戦記」vol.2
イージーな横パスではなく、CFめがけた仕掛けのパスが少なくなかったとはいえ、パスミスはチームワーストの17本。79分にはゴール前への戻りが遅れ、マークしていたムヒタリアンに勝負の行方を大きく左右する2点目を奪われた。
文:遠藤孝輔