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「こんな無責任な話があるか」試合直前に“10人陽性”の相手を名門サンパウロが猛烈批判!ブラジル全国選手権はカオス状態【現地発】

カテゴリ:ワールド

リカルド・セティオン

2020年08月13日

ゴイアスの選手は「非難される筋合いはない」と反論

 これに怒ったのが、ブラジルの中ではもっともコロナ対策を万全にしているチームのひとつである名門サンパウロだ。
 
 今回の遠征においても、特別機をチャーターし、ホテルのワンフロアとレストランを借り切り、選手たちの滞在が密にならないよう配慮した。スタジアムに行くバスも複数台、ドライバーには事前にPCR検査を受けてもらっていた。とにかくこの1試合を戦うのに莫大な費用が掛かっていたのだ。
 
 しかし、試合は中止となり、遠征は無駄になってしまった。
 
 サンパウロは不安と怒りを抱え、ゲームシャツにパンツという姿で、そのまま空港に直行し、チャーター機で地元に帰った。一秒でも早くゴイアスから遠ざかりたかったのである。
 
 この日スタジアムにいた人間は、スタッフや警備員も含めてもう一度検査を受けなければいけなかった。もちろんサンパウロの選手もだ。
 
 サンパウロ陣営は相次いで怒りを露わにした。例えば、ブラジル代表のダニエウ・アウベスは、自身のインスタグラムにこう投稿している。
 
「今日起こったことは、到底受け入れることができない。こんな無責任なことはあってはならない。もっとプロ意識を持つべきだ。そうでなければすべてがこのように時間の無駄になる。一番大事なのは我々の命だ。命がなければ、それ以外はなんの意味もなくなる」
 
 これに対し、ゴイアスの中心選手であるラファエウ・モウラが反論した。
 
「ダニ、ゴイアスを代表して、選手同士として君に言いたい。我々も陽性の結果にはショックを受けているのだ。我々も君たちと同じように定められたプロトコルをきちんと守ってきた。
 
 検査も毎週受けてきたし、外に行く時はマスクもつけていたし、毎日家と練習場だけの往復だった。知らせを受けた時、我々もユニホームを着てプレーする準備ができていた。これは誰にでも起こりうることだ。サンパウロには悪いとは思うが、我々は非難される筋合いはない」
 
 彼もかなりヒートアップしていたようで、反論は続く。
 
「君たちには良識を持ってもらいたい。問題は結果を知らされるのが遅れたことだ。とにかくすべては初めてのことばかりで、我々は新しいやり方に少しずつ慣れていかなければならない。君たちの幸運を、そして10人の仲間の早い回復を願う」
 
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