グアルディオラが狙い撃ちにした選手は?
マドリーは、臆したようなポゼッションで、逆に弱みを突かれてしまった。その点、ヴァランヌはシーズンワーストのプレーだったと言える。1点目だけでない。2点目も単純に裏に蹴られたボールの処理を誤り、バックパスを奪われているのだ。
そしてグアルディオラが狙い撃ちにしたのは、ソリッドなマドリーの象徴とも言えるカゼミーロだった。
カゼミーロは、バックラインの前の守備のフィルターとして、ジネディーヌ・ジダン監督から全幅の信頼を受ける。彼が中央部を分厚く守ることで、堅守カウンターが成立。リーガ優勝の殊勲者の一人だ。
しかし主導権を握ろうとするチームで、カゼミーロは凡庸なMFである。味方がプレッシングを受ける中、なす術がなかった。フォデンにコースを断たれると、ピッチから消えた。結果、トニ・クロース、もしくはルカ・モドリッチがバックラインまで下がったが、攻め手は減った。カゼミーロは無力化され、あまつさえ、相手の決定機につながるパスミスまでした。
袋小路に追い込んだのは、グアルディオラの知略である。
文●小宮良之
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月には『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たした。
そしてグアルディオラが狙い撃ちにしたのは、ソリッドなマドリーの象徴とも言えるカゼミーロだった。
カゼミーロは、バックラインの前の守備のフィルターとして、ジネディーヌ・ジダン監督から全幅の信頼を受ける。彼が中央部を分厚く守ることで、堅守カウンターが成立。リーガ優勝の殊勲者の一人だ。
しかし主導権を握ろうとするチームで、カゼミーロは凡庸なMFである。味方がプレッシングを受ける中、なす術がなかった。フォデンにコースを断たれると、ピッチから消えた。結果、トニ・クロース、もしくはルカ・モドリッチがバックラインまで下がったが、攻め手は減った。カゼミーロは無力化され、あまつさえ、相手の決定機につながるパスミスまでした。
袋小路に追い込んだのは、グアルディオラの知略である。
文●小宮良之
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月には『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たした。