緊急事態宣言下の“リアル”南葛SC――東大樹キャプテンが語る特別な2020年シーズン

カテゴリ:連載・コラム

伊藤 亮

2020年08月10日

「すごく濃い2か月間」

キャプテンとしてチームを引っ張る東。自粛期間は難しい状況の中でトレーニングも強いられた。写真:塚本凜平

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「自粛期間中、選手一人ひとりの特徴まで考えを巡らせてましたね」と言う東。「すごく濃い2か月間でした」とも語る。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 東キャプテンは「チームで試合に勝つ」ことを第一義にしている。その基準に照らし合わせて言うべきことをいい、やるべきことをやる。だが、今回の自粛期間中で難しかったのは選手のコンディションがバラつくことはもちろん、それぞれの事情で練習に対する意識に違いがあったことだ。

「スタッフ側としては、感染予防対策を徹底した上でトレーニングをしたい思いがありました。それは勝利に対する思いの強さの表われなので分かります。でも、選手には独身の選手もいれば、結婚している選手、子どもがいる選手、実家で親と暮らしている選手とそれぞれです。子どもがまだ学校に行けないのに練習していいのか、という話など、いろんな声が出てきました。その中には個人的に“大丈夫だろう”と思うことも、自分がスタッフに対して代弁しなければいけないケースもありました。

 一度ZOOMで選手たちだけで話し合いをしてスタッフに交渉したこともあります。そこは変化というか、今までやってことなかったことで。ただ、選手たちも試合に勝つために動いているので、判断基準はスタッフといっしょなんです。結果、互いに理解できました。そういう意味ではすごく濃い2か月間でしたね。一人ひとりに連絡するのは大変でしたけど」

 自分のことを「コスパのいいキャプテン」と呼ぶ。
「言われたことはちゃんと聞くし、社会人としての時間もあるけど、そのほかの時間の中で南葛SCに対する比重は重い。限られた時間の中でも南葛SCのことはちゃんとやるよ、という意味ですが(笑)。でも実際、今回の自粛期間中、選手一人ひとりの特徴まで考えを巡らせてましたね。同じことを伝えるにもどこまで言うかとか、いつ言うかとか、どう言うかとか。スタッフ側の気持ちにも寄ってみたり、いろいろ考えてました」

 やっぱりサッカーをしたい。それはみんな同じ気持ちだろう。コンディションを保つだけというのはキツい。それもみんな同じ考えだろう。でも自分の場合は両親も祖父母も家にいる。自分だけの問題ではない。であれば今できることをするしかない。そう考えながら都内の一変した風景を眺めながら一人ランニングをしていたという。
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