崩しの切り札として、またピルロ封じでも期待できる香川。

両チームから負傷退場者が出た一戦。ダメージは、ドルトムントにとってより大きかった。写真はピシュチェク。 (C) Getty Images

ともに満足感を得られた第1レグ。イーブンの条件でリマッチを迎える。そしてそのキーマンは、前日に26度目の誕生日を迎えている香川だ。 (C) Getty Images
3)明暗を分けた負傷交代
高いインテンシティーを保った両チームによる猛烈なプレスの応酬が繰り広げられた前半、ユーベはゲームメーカーのピルロ、ドルトムントは右SBのピシュチェクとCBパパスタソプーロスがそれぞれ負傷交代を余儀なくされた。
その痛手が大きかったのは、2枚のDFを失ったドルトムント。戦前から負傷者を抱えていたチーム事情もあり、それぞれのポジションにおける序列の4番手であるCBギンター、右SBキルヒをピッチに送り込まざるをえなかったからだ。2つの交代枠を失った意味でも、大きな誤算となった。
一方、ユーベにとっては大黒柱の離脱が、むしろポジティブに働いた印象だ。
ドルトムントの徹底マークや猛プレスに遭い、この日のピルロは攻撃時における存在感がなく、得意ではない守りに奔走していた。バイタルエリアを封鎖するチームプランを遂行するうえで、ピルロ退場後にアンカーの位置に入ったマルキージオの方が、守備で利いていたのは明らかだった。
4)第2レグは香川がキーマンに
相手の速攻を浴びてバイタルエリアを固められない時には戦術的もファウルを厭わないなど、様々な局面で試合巧者ぶりを見せつけたのはイタリア王者だった。しかし、クロップ監督が「アウェーゴールを奪えた。あらゆる可能性が残っている」と逆転を示唆した通り、ドルトムントにも勝ち抜くチャンスは十分にある。
ホームでのリターンマッチでキーマンとなりうるのは、ローテーションや負傷交代の影響で、最後まで出番が訪れなかった香川だ。
直近3試合のブンデスリーガで3アシストと上り調子で、スペースが限られた相手のエリア付近で違いを作り出せている。そうしたアタッキングサードでの打開もさることながら、献身的なプレッシングでバイエルンのシャビ・アロンソを無力化させたように、ピルロ封じも期待できるだろう。
余談だが、第2レグが控える3月18日は、香川の誕生日の翌日。逆転勝利を呼び込む働きを見せ、みずからの26回目のバースデーに花を添えられるか。
その前にまず、先発起用が濃厚な2月28日の大一番、シャルケとのルール・ダービーで見せるパフォーマンスに注目だ。
文:遠藤孝輔
高いインテンシティーを保った両チームによる猛烈なプレスの応酬が繰り広げられた前半、ユーベはゲームメーカーのピルロ、ドルトムントは右SBのピシュチェクとCBパパスタソプーロスがそれぞれ負傷交代を余儀なくされた。
その痛手が大きかったのは、2枚のDFを失ったドルトムント。戦前から負傷者を抱えていたチーム事情もあり、それぞれのポジションにおける序列の4番手であるCBギンター、右SBキルヒをピッチに送り込まざるをえなかったからだ。2つの交代枠を失った意味でも、大きな誤算となった。
一方、ユーベにとっては大黒柱の離脱が、むしろポジティブに働いた印象だ。
ドルトムントの徹底マークや猛プレスに遭い、この日のピルロは攻撃時における存在感がなく、得意ではない守りに奔走していた。バイタルエリアを封鎖するチームプランを遂行するうえで、ピルロ退場後にアンカーの位置に入ったマルキージオの方が、守備で利いていたのは明らかだった。
4)第2レグは香川がキーマンに
相手の速攻を浴びてバイタルエリアを固められない時には戦術的もファウルを厭わないなど、様々な局面で試合巧者ぶりを見せつけたのはイタリア王者だった。しかし、クロップ監督が「アウェーゴールを奪えた。あらゆる可能性が残っている」と逆転を示唆した通り、ドルトムントにも勝ち抜くチャンスは十分にある。
ホームでのリターンマッチでキーマンとなりうるのは、ローテーションや負傷交代の影響で、最後まで出番が訪れなかった香川だ。
直近3試合のブンデスリーガで3アシストと上り調子で、スペースが限られた相手のエリア付近で違いを作り出せている。そうしたアタッキングサードでの打開もさることながら、献身的なプレッシングでバイエルンのシャビ・アロンソを無力化させたように、ピルロ封じも期待できるだろう。
余談だが、第2レグが控える3月18日は、香川の誕生日の翌日。逆転勝利を呼び込む働きを見せ、みずからの26回目のバースデーに花を添えられるか。
その前にまず、先発起用が濃厚な2月28日の大一番、シャルケとのルール・ダービーで見せるパフォーマンスに注目だ。
文:遠藤孝輔