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「スタイルを貫くことで記憶に残るチームに」愛弟子・中西哲生氏が明かす名将ヴェンゲルの“グランパス改革”/後編

カテゴリ:Jリーグ

江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

2020年06月17日

「ランニングでめちゃくちゃ速かったのが…」

この磐田戦で1ゴール・2アシスト。全4得点に絡んだのがストイコビッチだ。(C) Getty Images

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――優勝候補にも挙げられていた磐田に圧勝でした。

「やはり6月のヴェルサイユ合宿が大きかったですね。戦術的な部分で理解が進んだのもありますが、シンプルにたくさん走ったので。ヴェンゲルを先頭にヴェルサイユ宮殿の周りをひたすら走るんですよ。だいたい45分ぐらいだったかな。道がわからないから、行きは付いて行くだけなんですけど、帰りはホテルを目指せばいいので、みんな少しでも速く走ろうとヴェンゲルを追い抜いて行くんです。めちゃくちゃ速かったのが、(フランク・)デュリックス、あと岡山(哲也)ですね。

 ヴェンゲルから、夏になって走っても遅い、体力をつける前に身体がへばってしまう。6月にしっかり走らなきゃダメだという事は言われてたので、みんなが必要性を感じてどんどんスピードを上げるんです。だから、走らされてるという感覚はなかったですね。実際、この磐田戦もめちゃくちゃ暑かったんですけど、みんな走れてましたからね。ピクシー(ストイコビッチ)も」

――就任1年目ですが、ヴェンゲル監督は日本の夏を乗り越える準備をしていたんですね。

「名古屋は蒸し暑いんですが、夏場になっても“追い越す”ランニング量が減らなかったので、調子を落とさなかった。フランスで『追い越すサッカーをするぞ』と走り込んだおかげです。そう考えると、やはりヴェンゲルが凄い監督だなと」
 
――その後も好調を維持して優勝争いを演じました。

「セカンドステージは優勝できるかもしれない、そんな雰囲気はありました。実際、第2節にも勝って、クラブ史上初めて首位に立ちました。まだ2試合ですけど、その後もガンバと鹿島に勝って4連勝しましたし、Jリーグが始まって以来、グランパスが首位になった事はなかったので、かなり盛り上がっていたと思います」

――最後は2位でフィニッシュ。悔しさと達成感、どちらが大きかった?

「半々ですね。前年最下位のチームがいきなり優勝できるほど簡単ではないと思うし、ヴェンゲルにも(第2ステージを制した)ヴェルディとの差は果てしなくあると言われていて、その通りだと感じていたので。ある程度満足感はありましたが、もっと成長したいという気持ちと、俺たちは強くなったんだってことを証明したいという気持ちがあって、それを天皇杯にぶつけた感じはありますね」
 
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