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前例のない中断から再開するラ・リーガ――それでもフットボールをリスタートする意義とは?【現地発】

カテゴリ:連載・コラム

エル・パイス紙

2020年06月11日

ドイツでは上位と下位の実力差が拡大

 中断前と同様の展開でシーズンは進行していくのか? 自宅待機期間という不測の事態をプラスに変えるチームはどこか、逆にロスを被るチームはどこか? チームによっては35日間で11試合を戦うという過密スケジュールによる影響は? 交代枠が最大5人に拡大したことよる効果は? 

 ラ・リーガ1部で4分の1近くの23%を占める6月30日に契約が満了する選手たちはシーズンが7月19日まで延長となったことで、どのようなパフォーマンスを見せるのか? 無観客で競技が再開されたことで、ドイツでは上位と下位の実力差が拡大しているが、スペインでも同じ現象が起こるのか? それともラ・リーガが独自性を示して異なった結果を見せるのか?

 今回の再開にあたって脳裏に去来する疑問は尽きることがないが、これまで前例がないのだから、いくら思考を巡らせても確かな答えを見出せるわけではない。しかし、またこうした前代未聞の状況下で導入される様々な試みが格好の実験材料となって、旧来のスタイルからかけ離れつつあったフットボールのゲームに新たなバリエーションを提供するきっかけにもなるかもしれない。たとえば最大5人の交代枠がそのまま定着する可能性だってあるだろう。あるいはブレイクタイムが現行の前後半の2分割方式から頻度が増えるかもしれない。
 
 ヨーロッパカップ戦、欧州各国の主要リーグが一斉に中断された時、フットボールの行く手にかつてない暗雲が立ち込めたと思われた。ユベントスの会長、アンドレア・アニェッリは、「未曽有の事態」と警鐘を鳴らし、その影響は各クラブの財政に計り知れない損失をもたらすことが危惧された。

 しかし再開を直前に控えた今、取り巻く状況はそこまで悲惨なものではない。もちろん市場は縮小を余儀なくされるだろうし、選手の獲得にも深刻な影響を及ぼすだろう。しかし天井知らずの高騰を続けていた昨今のマネーゲーム化の現象を考えれば、マイナス面ばかりではない。

 ともあれ、いま何をさておいても歓迎すべきは、フットボールが再開すること。その周辺をポジティブに巻き込む力に感化されて、人々が元気を取り戻すことができれば、その意義は決して小さくはない。

文●サンティアゴ・セグロラ(エル・パイス紙)
翻訳●下村正幸

※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙の記事を翻訳配信しています。
 
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