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「スペインではサッカーは王様。フランスでは…」欧州5大リーグでリーグ・アンだけが打ち切りとなった背景【現地発】

カテゴリ:連載・コラム

エル・パイス紙

2020年06月10日

これほど政府のバックアップを受けていない国も珍しい

4月に打ち切りが決まったリーグ・アンはパリ・サンジェルマンの3連覇が確定した。(C) Getty Images

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 今回のコロナウイルスの感染拡大によるリーグ戦の中断はまた欧州各国におけるサッカーの立ち位置を示す機会にもなっている。ドイツ、スペイン、イングランド、イタリアが揃って再開を決めたのを尻目に、欧州5大リーグの中で唯一フランスだけが政府の方針を受けて4月30日にシーズンの打ち切りを発表した。

 同国のエドゥアルド・フィリップ首相は先日、リーグ・アンの中断に踏み切った決定について「英断だった」と自画自賛した。フランスでもここにきて感染拡大のペースは落ち着きつつあり、社会、経済活動は再開に向けて動き出している。しかしその自信のコメントは、他国の状況に左右されることなくこのまま打ち切りの決断を押し通すことが彼らにとっては一貫したスタンスであることを明確に示していた。

 フランスはサッカーが盛んな国だ。サッカー協会に登録されている選手は200万人を超え、その数はスペインの2倍に相当する。社会に果たしている役割も大きく、草の根レベルでの普及率は世界でもトップクラスだ。しかし、同時にこれほど政府のバックアップを受けていない国も珍しい。
 
 様々な公的機関や民間企業がサッカーに関連した活動を展開しているスペインやイタリア、SAP、メルセデスベンツ、アリアンツといった世界的な企業やアンゲル・メルケル首相が所属するキリスト教民主同盟(CDU)がブンデスリーガの各クラブと密接な関係を構築しているドイツとはその点で大きく異なる。

 そもそも、その発表の仕方からして唐突だった。エドゥアルド・フィリップ首相が議会で打ち切りの方針を表明した時、フランス・プロリーグ機構(LFP)を中心に関係者は再開に向けて検討を重ねていた。再開と閉幕をそれぞれ6月17日と8月2日に設定するなど具体的なシナリオまで話し合われていたが、「プロスポーツ、特にサッカーの19―20シーズンは再開できない」という同首相の鶴の一声により、すべての計画は水の泡と消えた。

 唯一リヨンのジャン=ミシェル・アウラス会長だけが今なお再考を求めて動いているが、完全に孤立無援の状況だ。
 
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