原口は攻守の起点となっている
「まあ、バランスすね。前の3人が戻れないというか、ガーッと前へいってバランスが悪いなと思ったタイミングでピンチになる、というのはよくあった。もちろん、自分の数字にもこだわりたいんですけど、これだけ監督に信頼してもらって、使ってもらってるなかで、やっぱりポイント3ていうのは(大事)」
中盤でバランスをコントロールする一方で、攻撃が行き詰ったときには変化をつける役割が求められる。ニュルンベルク戦では、「カウンターでもうちょっと絡みたいけれど、前がガチャガチャとなる(状況)が多すぎて。もうちょっとコントロールしたい」と課題を口にしていたが、まさにこのオスナブリュック戦での終盤は、攻撃の起点として機能していた。
得点に絡んだシーンだけではなく、原口を中心に小気味いいパス交換が行われ、攻撃のリズムが作られていた点は高く評価されるところだ。彼のところでボールを一度落ち着けて、起点を作り、相手守備を揺さぶりながらチャンスへと持ち込む形がみられたのは、今後に向けての好材料となるだろう。
中盤でバランスをコントロールする一方で、攻撃が行き詰ったときには変化をつける役割が求められる。ニュルンベルク戦では、「カウンターでもうちょっと絡みたいけれど、前がガチャガチャとなる(状況)が多すぎて。もうちょっとコントロールしたい」と課題を口にしていたが、まさにこのオスナブリュック戦での終盤は、攻撃の起点として機能していた。
得点に絡んだシーンだけではなく、原口を中心に小気味いいパス交換が行われ、攻撃のリズムが作られていた点は高く評価されるところだ。彼のところでボールを一度落ち着けて、起点を作り、相手守備を揺さぶりながらチャンスへと持ち込む形がみられたのは、今後に向けての好材料となるだろう。
地元メディアからの評価も高い。オンラインポータル・メディアの『sportbuzzer』は採点2をつけ(1が最高で6が最低)、このように評している。
「序盤は目が覚めていなかった。判断を誤り、オスナブリュックのカウンターチャンスにつながってしまったシーンもあった。左ハーフからボランチ、トップ下と3つのポジションでプレー。後半は見違えるようなプレー。73分にPKを奪取し、85分にはチーム4点目となるゴールをソロドリブルから決めた」
再開後最初となる難しい試合を勝利で飾ったケナン・コジャック監督は「勝点3ポイントをとてもうれしく思っている。長い中断期の後だけに、いま自分たちがどの立ち位置にいるのかはわからなかったし、最初はとても難しかった。なかなか解決策を見つけることができなかった。それでも逆転することができたのはチームの優れたクオリティとメンタリティの表れだと思う」と語っていた。
「途中から出場した選手もチームをしっかりとプッシュしてくれた。ここで我々はミスを犯してはならない。計算機を出したり、安心したりしてはならないんだ。次のカールスルーエとの試合にむけて、完全に照準を合わせていく。まだ道のりは長いのだ」
気合を入れ直したハノーファーは、リーグで無敗記録を4に伸ばしている。この調子をキープして、上位進出を果たしていきたい。
筆者プロフィール/中野吉之伴(なかのきちのすけ)
ドイツサッカー協会公認A級ライセンスを保持する現役育成指導者。執筆では現場での経験を生かした論理的分析が得意で、特に育成・グラスルーツサッカーのスペシャリスト。著書に「サッカー年代別トレーニングの教科書」「ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする」。WEBマガジン「中野吉之伴 子どもと育つ」(https://www.targma.jp/kichi-maga/)を運営中