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世界が注目したブンデス再開、浮き彫りになったメリットと問題点。求められるのは「指先の感覚」だ【現地発】

カテゴリ:ワールド

中野吉之伴

2020年05月22日

再開マッチで8人が負傷と報道された

クラブロゴ入りのマスクを着用する、ブレーメンのコーフェルト監督。クラブ事に色とりどりのマスクを用意しているようだ。 (C)Getty Images

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 試合を終えて、ドイツ代表トニー・クロースは「ドイツでできなければ、他のどこでもできない」とコメントした。現時点では、試合までの流れに関して大きな問題も混乱もなく、スタジアムや町中で騒ぐファンも出ていない。時計の針が止まっていたサッカー界における大きな希望となりえるのか、その徹底した衛生対策と試合運営があれば他国でも無観客試合を開催できるのではないかと、ガイドラインとして参考にされているはずだ。

 ただ、すべてがうまくいっているわけではない。実際に今節だけで8人もの選手が負傷したというニュースもあった。選手が対応しきれないのは致し方ないことだ。ブンデスリーガのクラブは、すべてのクラブが同じようにトレーニングを開始できたわけではなかった。

 州に決定権があるため、それぞれのクラブで許可された内容が異なる。感染率が低い地域では個別練習から少人数でのグループ練習、そこからさらに7~8人グループでのトレーニングに取り組めていたクラブがある。一方で、厳しい制限が引かれている州ではグループ練習が2~3人のままで、なかなかそれ以上でのグループ練習が認められないクラブもあった。リーグを再開するのならば、トレーニング開始時期も合わせるべきだという主張もされていたが、結局これが受け入れられることはないまま、今に至っているのが現状だ。

 リーグ再開が決まったあと、各クラブで全体練習が許可され、約1週間で実戦を迎えた。例えば、ブレーメン監督フロリアン・コーフェルトはコロナ中断期間を利用して、コンディション状態の向上に取り組み、おかげで今は今季最高の状態だと話していたが、試合におけるコンディションはやはり違うだろう。

 そういう意味では、本来であれば再開できる状態・状況ではないまま再開に踏み込んだのが事実だ。通常のリーグ戦であれば、開幕前に6~8週間のプレシーズンがあり、そのなかでコンディションを作り上げる時期があり、テストマッチで体と頭と心を調整していく時期を経て、個々のプレーとチームのプレーを融合させていく。それでもリーグ開幕に、すべて万全に整うことはまれだ。どれだけ準備万端で臨んでも、テストマッチとリーグ戦は違うのだ。

 どれだけ普段通りにプレーをしようとしても、選手たちはそもそも普段通りの準備もないままに公式戦に挑んでいる。責任感を持ってプレーしようとすればするほど、無理をした動きが負荷として体にのしかかり、負傷の危険性はどうしたって高くなってしまう。プロ選手だからと、人間の体は、負荷がかかれば傷つくのだ。
 
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