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【消えた逸材】ワールドユースで本田圭佑らを圧倒した褐色のウインガー“オウス=アベイエ”はどこへ?

カテゴリ:ワールド

井川洋一

2020年05月12日

33歳となった今の職は――

パナシナイコス時代のオウス=アベイエ。2シーズン所属したものの、無得点に終わった。 (C)Getty Images

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 07年にガーナ代表でのプレーを選択し、10年の南アフリカW杯ではセルビア戦とオーストラリア戦に出場。世界の檜舞台にも立つなど、特別な才能を備えていたのは確かだ。しかし、短気な性格と素行の悪さ、そしてかつて自身も「後悔している」と振り返ったロシアへの移籍の失敗などが重なり、ティエリ・アンリにも例えられた才能は萎んでいった。

 それでも33歳になった本人は現在、第二の人生を楽しんでいるようだ。

 かねてから『Blow』の名で覆面ラッパーとして活動し、今年1月には自身の正体、そして初のミックステープをリリースしたことを公表。ちなみに「吹き飛ばした」、「台無しにした」などの意味を持つ『Blow』という名は、「華やかな生活によって、すべてのカネを使い果たした」ことに由来するという。

「俺が育った地域には、『フットボールをしていれば未来がある』なんて言ってくれるロナルド・デブールのような大人はいなかった」
 1月、デジタルメディア『VICE』のオランダ版にそう語ったオウス= アベイエはさらに続ける。

「だから、俺が最初に目指した人間は、そんな地域でカネを生み出している奴らだった。彼らのド派手な車に憧れたな。結果的に違う道( フットボール)を選択したけど、俺は自分の故郷を誇りに思っている。そして、故郷の人々に誇ってもらえるような存在になりたい。フットボーラーだった自分も、現在のアーティストとしての自分も」

文●井川洋一

※『ワールドサッカーダイジェスト』2020年4月16日号より転載
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