アジアカップ2015

【日本代表】現役イタリア人監督が敗因分析「本田と香川が遠く離れた4-3-3に疑問」

カテゴリ:日本代表

ロベルト・ロッシ

2015年01月25日

本田と香川が絡んでの中央突破がほとんどなかった。

柴崎の同点ゴールは、本田とのワンツーで密集地帯をこじ開けた中央突破。「もっとトライしてもよかったのではないか」とロッシ氏。 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 右ウイングの本田は、サイドからドリブルで「ペナ角」に持ち込んで、そこからコンビネーションやシュートを狙う場面を何度も見せた。だが、このプレーはややワンパターンで意外性に欠ける上に、コンビネーションで中に入り込むパートナーが近くにいないケースが多く、強引なシュートを何度か打った以外、決定機を作り出すところまでは行かなかった。
 
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 左サイドからも乾、あるいは香川が同じようなパターンからの仕掛けを試みたが、相手の密度の高い最終ラインを押し広げてシュートに持ち込むことはほとんどできなかった。
 
 一方、バイタルエリアを使ったコンビネーションによる中央突破は、ずっと頻度が低かった。
 
 前述のように、相手が中央をしっかり固めてきたこともあり、コンビネーションで中央をこじ開けるのが難しい状況だったことは確かだ。とはいえ、81分に柴崎が挙げたゴールが示すように、日本はスペースがないところでも細かいパス交換による中央突破でスペースをこじ開け、フィニッシュにまで持ち込むクオリティを備えている。
 
 サイドからの崩しが総じてそれほど効果的とはいえなかった事実を考えても、もう少し中央突破にトライしてもよかったのではないかという印象はある。
 
 気になったのは、ザッケローニ監督時代にしばしば決定的な場面を作り出してきた、本田と香川が絡んでのコンビネーションによる突破がほとんど見られなかったこと。これは、本田を右ウイング、香川を左インサイドハーフという離れたポジションに置いているのが一番の理由だろう。
 
 本田と香川が、日本で最もクオリティの高いプレーヤーであることは誰もが認めるところ。この2人が絡みにくい配置になっている現在の布陣は、チームが備えているクオリティを最大限に活用するという観点から見ると、必ずしも最良のソリューションとは言えないようにも思われる。
 
 さらに言えば、本田も香川も、本来はトップ下のスペースで前を向いてプレーすることで持ち味を最大に発揮するプレーヤー。2人をトップ下に置くのは難しいにしても、少なくともどちらか1人はよりゴールに近いところでプレーさせ、そこにもう1人が絡んで行くような形を作れる布陣を敷いたほうが、彼らがより多くフィニッシュに絡めるようになるのではないかと思う。
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