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2020年の“リアル”南葛SCが掲げる「ワクワクするサッカー」――練習から垣間見えたその正体

カテゴリ:Jリーグ

伊藤 亮

2020年02月21日

練習で盛んに響いていたのは「正確に!」という言葉

鹿島でも活躍した佐々木竜太。今季も複数の元Jリーガーが加入した。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 もっと具体的に知りたくて、南葛SCの練習を見に行った。この日の練習で盛んに響いていたのは「正確に!」という言葉だ。特に、ボールを止めることと運ぶことに対して頻繁に声がかかる。ボールを止めるとは「ボールが静止していること」。トラップしたボールが少しでも動いていたら、それは止めたことにならない。

 ボールを運ぶとは「ボールが足元にあり、次のアクションに向けコントロールできる状態で前進すること」。ボールが身体から離れて次のアクションが行なえない状態は、単にボールを追っていることになる。

 そこに「なんとなく」はない。正確にできるかできないか、2つに1つだ。基準を厳密にしなければならない理由がある。正確さは次のアクションへ的確かつ速く移行するのに必要不可欠な技術、つまりこれから目指すチームの強みの前提になるからだ。ここを疎かにしては、その先がすべて不安定なものになってしまう。

「ボールを止める。運ぶ。これらができれば、いつでも誰でも思ったところに行けるし、出せる。これらができれば、受け手も相手が見ていないものを見ながら、ここというタイミングで合わせられる」

 言葉を明確に定義づけすることは、個々の微妙な認識のズレを矯正することにもつながる。明確な基準がチームの共通認識になることで、あるプレーに対してそれがトライなのか、ミスなのかがはっきりと分かる。だから自分も周囲も指摘をしやすくなる。結果として声も出やすくなる。

 新シーズンから新たにキャプテンとなった東大樹は言う。
「これまでは選手の個の特徴でなんとかしようとしていたところもあったのですが、正確に止める、蹴るといった言葉の定義づけがあることで、チームとしての統一が図れるんです。この方法はすごく勉強になっています」

 前キャプテンの安田晃大も口を揃える。
「正確さはすごく求められます。サッカーの基本ですけど、それをより具現化してやっている感じです。福さん(福西崇史前監督)のやろうとしていたことを、より細かくしてトレーニングしているといいますか。より言われることで選手個々も感じやすい。良い、悪いを選手たちがはっきり感じられるのはいいんじゃないかと思います」

 基本だからこそ大切。でも基本だからこそ疎かになりがちであり、突き詰めようとすればするほど時間を要する。島岡監督はそこに「本気」を求める。

「時間のかかることであるとはいえ、一人ひとりの意識次第で習得するスピードは変わってくる。基準が明確な中、自分たちで向き合えるか。そしてトライしていけるかどうか。どれだけ自分に負荷をかけていけるかで成果は変わってきます」
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