タイ代表の西野監督への注目度も高いなか、昨季のサムットプラカーンの躍進を導いた村山監督のサッカーに衝撃が走る
5年前、タイサッカー界が日本人監督ブームで沸いたことがある。リーグ開幕時、1部と2部を含め、実に7人もの日本人監督が名を連ねた時代があった。
それは和田昌裕(G大阪強化アカデミー担当参与)がチョンブリーFC監督として年間最優秀監督賞を獲り、また神戸清雄(コーンケーン・ユナイテッド監督/タイ2部)がナコンラーチャシーマーFCをクラブ史上初となる1部昇格へ導いた翌年のこと。彼らがタイで日本人指導者の価値を高めたという背景があった。しかし、その流れが長く続ことはなかった。
それは和田昌裕(G大阪強化アカデミー担当参与)がチョンブリーFC監督として年間最優秀監督賞を獲り、また神戸清雄(コーンケーン・ユナイテッド監督/タイ2部)がナコンラーチャシーマーFCをクラブ史上初となる1部昇格へ導いた翌年のこと。彼らがタイで日本人指導者の価値を高めたという背景があった。しかし、その流れが長く続ことはなかった。
そしていま、再び、日本人指導者に目が向き始めている空気を感じている。タイ代表を率いる西野朗への注目度は依然として高く、また昨季、サムットプラカーンを率いた村山哲也が落とし込んだ日式蹴球に多くのタイサッカー関係者が衝撃を受けたことが、この巻き起こる渦へと繋がっているのだ。
タイサッカー市場で奮闘する“日本人指導者”という看板を背負った彼らの責任は実に重い。なぜなら、彼らの評価が、以後日本人指導者の流入を左右する重要な要素となるからだ。
近い将来、タイでまた、日本人監督対決が珍しくはない時代が到来することはあるのだろうか。それも全てが彼らの力量に懸かっている。(文中敬称略)
取材・文●佐々木裕介