新システムで蘇ったフロンターレの爆発的な攻撃力。4-3-3導入に見えた収穫と課題

カテゴリ:Jリーグ

本田健介(サッカーダイジェスト)

2020年02月17日

攻撃的な清水が相手だったからこそ、との見方も

先制点を奪ったのはL・ダミアン(写真中央)。どのゴールも素晴らしい崩しだった。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 一方で、この試合の結果は、昨季のリーグ王者・横浜でコーチを務めたピーター・クラモフスキー氏を新監督に招聘し、攻撃的なサッカーへの転換を図っている清水が、真っ向勝負を挑んできてくれたからこそという見方もできる。

 清水は横浜同様に両SBを“偽のSB”と言えるような中央エリア寄りの高い位置にポジショニングさせ、より前傾姿勢を強めてきたからこそ、川崎は薄くなった相手の守備網を破りやすくなったとも言えるのだ。

 現に右SBの山根は「前に行ける機会が多かった分、できれば結果が欲しかった」と反省したように、オーバーラップをしやすい状況だったと捉えられるだろう。

 また川崎の選手たちが課題として挙げたのが守備面だ。4-3-3のシステムはどうしても中盤が薄くなり、なおかつアンカーの田中も前へ奪いにいく意識が高いだけに、最終ラインを高く保ち、相手をコンパクトな陣形の中に押し込めることがポイントとなる。ただ、そうすると自陣には広大なスペースが生まれ、CBとGKの負担も増えるのだが、CB谷口は「課題は奪った後、どう攻めるのか。持つのか、早く攻めるのか。そこの状況判断は合わせていきたいです」と話しつつ、こう続ける。

「守備は前から行くところはもっと迫力を持っていけると思いますし、ブロックを組む時はどこで取りに行くのか、どこで押し返すのか、そこはもっと緻密にやっていきたいです

 このシステムは強気にコンパクトにやらないと成り立たないと思っているので、強気にやっていきたいです。このサッカーの生命線はやはりコンパクトさ。そこは後ろの責任になってきますし、少しずつ良くしていきたいです」
 清水戦の前には鬼木監督も「FWの選手も点が取れそうな感覚があるという話をしています」とポジティブに捉えながら、「最初からすべてが上手くいくとは思っていないです」と付け加えている。

 今後は自陣に引いてくる相手や、カウンターを得意とする相手に対し、どのように臨むのかを含め、詰めていかなくてはいけない部分は多いだろう。

 もっとも昨季は初のルヴァンカップ制覇を成し遂げたとはいえ、どこかモヤモヤとしたままシーズンを終えた川崎には、新シーズンに臨むにあたって期待を寄せたくなる雰囲気が満ちている。新たなサッカーがどのように花開くのか注目だ。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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