新システムで蘇ったフロンターレの爆発的な攻撃力。4-3-3導入に見えた収穫と課題

カテゴリ:Jリーグ

本田健介(サッカーダイジェスト)

2020年02月17日

今季初の公式戦で清水に快勝

新キャプテンの谷口を中心に喜ぶ川崎の選手たち。清水に5-1で勝利した。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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[ルヴァンカップ第1節]川崎5-1清水/2月16日/等々力

 昨季リーグ3連覇を逃し、覇権奪回を目指す川崎が、今季初の公式戦となるルヴァンカップ・清水戦で幸先の良いスタートを切った。

 スコアは5-1。川崎らしい攻め勝つスタイルで快勝を収めたわけだが、なによりポジティブに映ったのは、昨季はやや陰りが見えた自慢の攻撃力が蘇った点だろう。

 要因はやはり今季から新たに導入した4-3-3のシステムにある。清水戦の並びはGKにチョン・ソンリョン、最終ラインは右から山根視来、ジェジエウ、谷口彰悟、登里享平、アンカーに田中碧、インサイドハーフに脇坂泰斗、大島僚太、3トップは右から宮代大聖、レアンドロ・ダミアン、長谷川竜也。

 開始1分には大島の好クロスから宮代が早速、決定機を迎えると、川崎は次々にチャンスを作り出し、10分には登里のクロスにL・ダミアンがヒールで合わせて先制。最終的には計18本のシュートを放ち、5ゴールを奪ってみせたのだ。

 強力な3トップはもとより、彼らに後方の選手が有機的に絡む崩しは、実に川崎らしく、鬼木達監督が今季の始動から口にし続けた「観ている方も、やっている本人たちも楽しいサッカー」を表現できた言えるだろう。

 右サイドでは「周りが良い位置にいてくれるので、出して、走ってという動きを繰り返せました」と新戦力の右SB山根が、インサイドハーフの脇坂、右ウイングの宮代らとリズミカルなパス交換を見せ、23分にはこの3人の関係性から、脇坂が右サイドを突破して長谷川のゴールをお膳立てしている。

 一方で左サイドの登里、大島、長谷川の連係も良好で、L・ダミアンのポストプレー、田中の攻撃参加も含め、「ゴール前に人が入って行けるようになっている」(鬼木監督)点が勝ち切れない試合が多かった昨季からの大きな変化だ。
 新キャプテンの谷口も「前に人数をかけられたのでチャンスを作れた。得点を多く取れたのが非常に良かった」と収穫を口にする。

 またこの試合は出場しなかったが、清水のGKで、かつては川崎でもプレーした西部洋平は「速くなったというのが印象ですね。元々、個々が上手いのは分かっていましたが、ボールを奪った後のスピードが上がっていました。もうポゼッションだけのチームではないのかなと」と古巣の印象を語っており、L・ダミアンへの縦パスを攻撃のスイッチに、シンプルにウイングへボールを展開し、手数をかけずにフィニッシュまで持って行く形は、新たな攻撃パターンと言える。

 さらにこの試合はベンチスタートだった小林悠(途中出場から2ゴール)、出場のなかった家長昭博、守田英正らが状況や調子に合わせて起用できると考えれば、期待値はさらに上がる。
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