アンタッチャブルな存在でなくなったブスケッツ
●メッシ
メッシはラ・リーガで13得点・6アシストと変わらず圧倒的な活躍を見せている。彼の相棒といえばルイス・スアレスで、事実2人は長くセットのように考えられてきた。
しかし今シーズン、この唯一無二のパートナーの運動量が低下。プレーエリアが狭まるとともにフリーランを見せる頻度も減少し、スタミナを配分しながらプレーしている感すらある。当然、プレーに絡む機会も少なくなっており、マドリー戦がそうだったように前線で孤立する試合も少なくない。
そのクラシコではアンス・ファティがボールを持てば果敢にドリブルを仕掛け、相手DFにプレッシャーを与え続けた。ラスト10分間ほどの出場時間ながら、攻撃面では代わりにベンチに退いたグリエーズマンよりもむしろ印象的なプレーを見せていた。
●中盤
クラシコではポジティブな出来ではなかったとはいえ、今シーズン、中盤で唯一の不動のレギュラーとして君臨しているのがフレンキー・デヨングだ。逆にブスケッツはアンタッチャブルな存在ではなくなり、ここにきて怪我のアルトゥールに代り、イバン・ラキティッチがスタメンに復帰。持ち前のカバーリング能力と戦術眼で同じ右サイドのメッシとセルジ・ロベルトを背後から支え、中盤のダイナミズムの向上に寄与している。
メッシはラ・リーガで13得点・6アシストと変わらず圧倒的な活躍を見せている。彼の相棒といえばルイス・スアレスで、事実2人は長くセットのように考えられてきた。
しかし今シーズン、この唯一無二のパートナーの運動量が低下。プレーエリアが狭まるとともにフリーランを見せる頻度も減少し、スタミナを配分しながらプレーしている感すらある。当然、プレーに絡む機会も少なくなっており、マドリー戦がそうだったように前線で孤立する試合も少なくない。
そのクラシコではアンス・ファティがボールを持てば果敢にドリブルを仕掛け、相手DFにプレッシャーを与え続けた。ラスト10分間ほどの出場時間ながら、攻撃面では代わりにベンチに退いたグリエーズマンよりもむしろ印象的なプレーを見せていた。
●中盤
クラシコではポジティブな出来ではなかったとはいえ、今シーズン、中盤で唯一の不動のレギュラーとして君臨しているのがフレンキー・デヨングだ。逆にブスケッツはアンタッチャブルな存在ではなくなり、ここにきて怪我のアルトゥールに代り、イバン・ラキティッチがスタメンに復帰。持ち前のカバーリング能力と戦術眼で同じ右サイドのメッシとセルジ・ロベルトを背後から支え、中盤のダイナミズムの向上に寄与している。
●ピボーテ
ヨハン・クライフがルイス・ミジャを“4番”に抜擢して以来、このピボーテのポジションを務める選手がバルサのフットボールの根幹をなすビルドアップの高い機能性を支え続けてきた。
その最後の支配者がブスケッツであり、攻守のバランス感覚に長けた彼を起点にシャビはゲームメイクを担い、アンドレス・イニエスタはメッシの動きと連動しながら、時にウイングとして時にインサイドハーフとして局面を打開しプレーを創造した。
しかし今シーズン、ブスケッツの存在感の低下とともに、ビルドアップの精度も低下。相対的にメッシへの依存度とGKテア・シュテーゲンが前線にロングボールを放り込む頻度が高まっている。クラシコにおける敵陣でのパス成功数は77。それまでの1試合平均150からほぼ半減した。これもまたビルドアップの機能不全が招いた結果である。
―――◆―――◆―――
プレーリズムとゲームコントロールを前面に押し出して世界の頂点に立ったのは今や昔。10年の歳月を経てバルサは前線の個の力に依存するチームに成り下がった。このまま効率性を追求しその他大勢のチームの1つとして埋もれていくのか、それともブスケッツの復活、あるいはデヨングの進化にかけて原点回帰を図るのか、カタルーニャの雄は重要な岐路に立たされている。
文●ラモン・ベサ、ジョルディ・キシャーノ(ともにエル・パイス紙バルセロナ番)
翻訳●下村正幸
※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙の記事を翻訳配信しています。
【動画】メッシが年内最終戦で決めた超絶ゴラッソはこちら
ヨハン・クライフがルイス・ミジャを“4番”に抜擢して以来、このピボーテのポジションを務める選手がバルサのフットボールの根幹をなすビルドアップの高い機能性を支え続けてきた。
その最後の支配者がブスケッツであり、攻守のバランス感覚に長けた彼を起点にシャビはゲームメイクを担い、アンドレス・イニエスタはメッシの動きと連動しながら、時にウイングとして時にインサイドハーフとして局面を打開しプレーを創造した。
しかし今シーズン、ブスケッツの存在感の低下とともに、ビルドアップの精度も低下。相対的にメッシへの依存度とGKテア・シュテーゲンが前線にロングボールを放り込む頻度が高まっている。クラシコにおける敵陣でのパス成功数は77。それまでの1試合平均150からほぼ半減した。これもまたビルドアップの機能不全が招いた結果である。
―――◆―――◆―――
プレーリズムとゲームコントロールを前面に押し出して世界の頂点に立ったのは今や昔。10年の歳月を経てバルサは前線の個の力に依存するチームに成り下がった。このまま効率性を追求しその他大勢のチームの1つとして埋もれていくのか、それともブスケッツの復活、あるいはデヨングの進化にかけて原点回帰を図るのか、カタルーニャの雄は重要な岐路に立たされている。
文●ラモン・ベサ、ジョルディ・キシャーノ(ともにエル・パイス紙バルセロナ番)
翻訳●下村正幸
※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙の記事を翻訳配信しています。
【動画】メッシが年内最終戦で決めた超絶ゴラッソはこちら