仲間たちに伝えた「ごめん」と感謝の言葉
下級生の頃から先輩たちにプレー面で要求はしていたが、どちらかと言えば、チームを引っ張るようなタイプではなかったし、大人しい印象が強かった。そんな荒木はキャプテンを任され、責任を背負う意味を知った。それを象徴していたのが、試合後の行動だ。
筑陽学園の選手が歓喜に沸く横で、荒木はベンチ入りを果たした選手たちとともに応援席に向かった。そこで挨拶をしたのだが、メンバーが引き上げていく中でひとりだけ残り、もう一度スタンドに足を運んだ。そして、ベンチ外の仲間たちに「ごめん」と伝え続けたのだ。
「メンバーに入りたくても入れないメンバーがいた。その選手たちを全国に連れて行けなくて申し訳ない気持ちがあった。あいつらのおかげでここまで来られた。『ごめん』という気持ちでスタンドに行きました」
その間、涙を流し続けていた荒木。それと同時に仲間たちに対して感謝の言葉も送っていた。
「自分がこのチームのキャプテンになって、うまく引っ張れたかは分からないですけど、それに対して自分を信じて付いてきてくれた仲間たちに最後はありがとうと伝えたかった」
悔いが残る形で終わった高校サッカー。だが、下を向いてばかりはいられない。年が明ければ、プロサッカー選手としての生活がスタートする。荒木は言う。
「高校サッカーで培ったものを今後のステージで発揮したい」
プロの世界で活躍することが、全国で一緒に戦えなかった仲間への恩返し。想いを背負い、“ヒガシの10番”が新たな世界に飛び込む。
取材・文●松尾祐希(フリーライター)
筑陽学園の選手が歓喜に沸く横で、荒木はベンチ入りを果たした選手たちとともに応援席に向かった。そこで挨拶をしたのだが、メンバーが引き上げていく中でひとりだけ残り、もう一度スタンドに足を運んだ。そして、ベンチ外の仲間たちに「ごめん」と伝え続けたのだ。
「メンバーに入りたくても入れないメンバーがいた。その選手たちを全国に連れて行けなくて申し訳ない気持ちがあった。あいつらのおかげでここまで来られた。『ごめん』という気持ちでスタンドに行きました」
その間、涙を流し続けていた荒木。それと同時に仲間たちに対して感謝の言葉も送っていた。
「自分がこのチームのキャプテンになって、うまく引っ張れたかは分からないですけど、それに対して自分を信じて付いてきてくれた仲間たちに最後はありがとうと伝えたかった」
悔いが残る形で終わった高校サッカー。だが、下を向いてばかりはいられない。年が明ければ、プロサッカー選手としての生活がスタートする。荒木は言う。
「高校サッカーで培ったものを今後のステージで発揮したい」
プロの世界で活躍することが、全国で一緒に戦えなかった仲間への恩返し。想いを背負い、“ヒガシの10番”が新たな世界に飛び込む。
取材・文●松尾祐希(フリーライター)