【横浜|担当記者コラム】圧倒的有利な状況に「?」。最終決戦に潜む3つの不安要素

カテゴリ:Jリーグ

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2019年12月01日

“行け行けムード”に身を任せていれば…

D・オリヴェイラ(写真内右)に2得点を奪われるなど、前回対戦では2-4の逆転負け。“4失点”している事実は看過できない。(C)SOCCER DIGEST

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 もちろん、当時と状況は異なるし、そもそも横浜は2得点しており、実質は2点差の敗戦で、懸念材料に挙げるには根拠が乏しいとも言える。それでも――横浜はFC東京を相手に4失点した経験があり、FC東京は横浜から4ゴールを奪った実績があることを考えると、たとえばFC東京が4-0のスコアで勝っても、別段不思議な話ではない。

 0-3で負けてもOK、というスタンスでFC東京との一戦に臨めば、痛い目に遭うだろう。最悪負けても優勝できるという「有利な状況」も、場合によっては不利に働く可能性をはらんでいる。

 後半の途中で3点のビハインドを背負ったとする。リードしているFC東京からすれば、あと1点を取るだけ。やるべきことはひとつで、チームとして迷いなく戦えるだろう。一方、この点差でも優勝できる横浜からすれば、これ以上失点しないように守りを固めるのか、自慢の攻撃力で1点を返して少しでも楽な展開に持ち込むのか、ピッチ上の判断にブレが生じてもおかしくはない。
 
 そうしたシチュエーションで、どれだけチーム全体で意思を統一してゲームマネジメントできるか。バタついたまま、明確に方向性を示すことができなければ、大量失点での敗戦で、手中に収めていたはずのタイトルを逃すことになるかもしれない。

 優勝は確実視されているかもしれないが、思わぬ落とし穴は必ずある。連覇中のディフェンディングチャンピオンに大勝して、“行け行けムード”に身を任せていれば、足をすくわれるだろう。すべての不安をできるだけ取り除くような準備をして、最終決戦に挑みたい。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
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