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ミランアカデミー千葉がトップチームを立ち上げた理由。Jクラブを目指しつつも、それ以上に望むのは…

カテゴリ:高校・ユース・その他

加部 究

2019年10月22日

「日本のスポーツ指導は厳しい。怒られても口応えしないなど、おかしな価値観が定着しているが…」

10月中旬に来日したフランコ・バレージ氏、日本でもプレー経験のあるダニエレ・マッサーロ氏とミランアカデミー千葉の選手たち。

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ミラネッロを訪れたアカデミーの選手たちが、プリマヴェーラの選手と記念撮影。

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 逆にミランアカデミーでは、本体で精査されたトレーニング時間やメニューを適用し、声を荒げることもなくポジティブな言葉で接しているので、それが選手自身はもちろん保護者たちからも受け入れられている。

「日本ではスポーツの指導は厳しいもので、怒られても口応えはしないなど、おかしな価値観が定着していますが、本来スポーツとは楽しみながら上達していくもので、それがミランの哲学にもなっています。ジュニアユースのセレクションも、最初の頃は市内や近隣から20~30人が来る程度でしたが、最近は他県からチャレンジしたい希望者も出て50人くらい集まって来ます。ワールドチャレンジ(小学生年代の国際大会)では本体のミランとの対戦も実現しましたが、この試合でプレーした選手のひとりはJアカデミーに合格したのに、ここでのプレーを望みました」

 さらに長内コーチが言葉を繋ぐ。
「逆にミランのジュニアユースから強豪高校への進学が決まっている子も多い。概して日本の子どもたちは止めて蹴るなどのテクニックやドリブルなどは上手いのに、個人戦術のレベルが低いと指摘されます。その点、このアカデミーではコーチが状況に応じて、答えはひとつではないんだよ、と適応力を養う指導をしています。それがどのチームへ行っても評価される理由ではないでしょうか」

 そして同アカデミーには、夢のようなプログラムも用意されている。夏休みにはイタリア遠征が行なわれ、参加した選手たちは現地で親善試合をするとともに、ミラネッロ(ミランのトレーニング施設)を訪れ、ミランのホームゲームのハーフタイムには、約8万人収容のサンシーロでボールを蹴る機会を得る。その中から現地のスカウトに注目される選手も出てきた。さらに先日は、1980年代後半からの黄金時代を支えた往年の名リベロ、フランコ・バレージ氏も来日し、子どもたちと交流の機会を持った。同氏は語った。

「日本人には技術の高さがあるから、もっと子どもたちが自由度をもって思い切りプレーできる環境があれば、さらに成長していける。ミランでしか出会えないサッカーに触れ、いろいろと感じ取ってほしいね」
 
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