名門アカデミーが見せる基本的なサッカーとは?
9月1日、パナソニックスタジアム吹田で「FCバルセロナvs.FCバイエルン・ミュンヘン」の対戦が実現した――。
「U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2019」の最終日に行なわれたフレンドリーマッチではあったが、名門クラブ同士のガチンコ勝負を間近で観戦できたことに心が躍った。
試合は、序盤から激しい主導権争いが展開された。
両チームともボールを奪われたら素早く攻守を切り替え、ボールに対して厳しく圧力をかける。そのスピードと迫力はトップチームさながらのプレーだった。そして、そのプレスをかいくぐるビルドアップもまた見事だった。ボールを奪ったらゴールキーパーが即フィールドプレイヤーの一員となり、数的優位を作り出す。相手守備群を回避するために斜め後ろ、横と安全なパスコースを作りながら後方の選手全員で守りが手薄なほうへとボールを運び出す。たとえ、その過程で危険が生じた場合でも、味方にパスをつなぐことは諦めない。前線の選手目掛けてボールを保持するためのロングパスを送り出す。
攻撃側が後方からのビルドアップでボールをきちんと相手守備の手薄なところまで流れ出せたら、今度はなるべく早く縦、または斜め前へとボールを前進させ、時間をかけずに敵陣への侵入を試みる。そこからアタッキングサード(オフェンスゾーン)に入れば、個人のアイデアを尊重しながら自由に攻撃を仕掛ける。
「U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2019」の最終日に行なわれたフレンドリーマッチではあったが、名門クラブ同士のガチンコ勝負を間近で観戦できたことに心が躍った。
試合は、序盤から激しい主導権争いが展開された。
両チームともボールを奪われたら素早く攻守を切り替え、ボールに対して厳しく圧力をかける。そのスピードと迫力はトップチームさながらのプレーだった。そして、そのプレスをかいくぐるビルドアップもまた見事だった。ボールを奪ったらゴールキーパーが即フィールドプレイヤーの一員となり、数的優位を作り出す。相手守備群を回避するために斜め後ろ、横と安全なパスコースを作りながら後方の選手全員で守りが手薄なほうへとボールを運び出す。たとえ、その過程で危険が生じた場合でも、味方にパスをつなぐことは諦めない。前線の選手目掛けてボールを保持するためのロングパスを送り出す。
攻撃側が後方からのビルドアップでボールをきちんと相手守備の手薄なところまで流れ出せたら、今度はなるべく早く縦、または斜め前へとボールを前進させ、時間をかけずに敵陣への侵入を試みる。そこからアタッキングサード(オフェンスゾーン)に入れば、個人のアイデアを尊重しながら自由に攻撃を仕掛ける。
これらのサッカーはバルサ、バイエルンに関係なく、両チームに共通したプレーだった。さらに、それが途切れることなく安定して行なわれたという現象に日本が学ぶべき点がある。例えば、彼らが披露したサッカーは、世代を問わずプレーできなければならないオーソドックスなものだ。きっと世界共通の基本的なプレーと言えるものだろう。過去にブラジルのパルメイラス、ポルトガルのスポルティングCF、スペインのアトレティコ・マドリーなどの同世代の試合も取材した経験があるが、大局的には同じようなサッカーが見受けられる。
だが、日本のJアカデミーや強豪街クラブには、この基本的なサッカーが“安定して”見られることはない。もちろん、「まだ成長過程にあるジュニアの選手だから」という理由もあるだろうが、今大会に出場したナイジェリア選抜、トヨタ・タイランド(U-12タイ代表)などのチームは、安定してそういったサッカーができていた。
そこで大会中、FCバイエルン・ミュンヘンのソンウェーバー・ラファエル監督、FCバルセロナのアルベルト・プッチ・アルカイデ監督のふたりに「選手育成で大切にしていること」をテーマに取材をした。理由は、このふたつのクラブが考える「育成の共通点」に日本が学ぶべきことがあると思ったからだ。そこには“サッカーというスポーツの普遍的で大局的な捉え方”が潜んでいた。
だが、日本のJアカデミーや強豪街クラブには、この基本的なサッカーが“安定して”見られることはない。もちろん、「まだ成長過程にあるジュニアの選手だから」という理由もあるだろうが、今大会に出場したナイジェリア選抜、トヨタ・タイランド(U-12タイ代表)などのチームは、安定してそういったサッカーができていた。
そこで大会中、FCバイエルン・ミュンヘンのソンウェーバー・ラファエル監督、FCバルセロナのアルベルト・プッチ・アルカイデ監督のふたりに「選手育成で大切にしていること」をテーマに取材をした。理由は、このふたつのクラブが考える「育成の共通点」に日本が学ぶべきことがあると思ったからだ。そこには“サッカーというスポーツの普遍的で大局的な捉え方”が潜んでいた。