ミランアカデミー千葉がトップチームを立ち上げた理由。Jクラブを目指しつつも、それ以上に望むのは…

カテゴリ:高校・ユース・その他

加部 究

2019年10月22日

スポーツ各界の著名人を輩出した千葉県佐倉市。サッカー界からも優秀な選手を育てようという趣旨で

ミラン本体から派遣され、同アカデミー千葉を指導するルカ・モネーゼ氏。

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今年からスタートしたトップチーム。ミランアカデミー千葉が将来的な選手たちの受け皿を用意した意義とは?

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 ミランアカデミー千葉が、地域密着で本格的にクラブとしての体制を整え活動を始める。従来は小学生のスクールとジュニアユース(中学年代)だけだったが、育成した選手やその保護者から「もっとここで続けていきたい」との要望が増え、まず今年からトップチームがスタート。来年にはユース(高校年代)も起ち上げ、女子も含めて1種から4種(スクール)まで全てのカテゴリーの選手たちが、ここでプレーできることになった。

 日本には、海外の名門クラブの名がつくスクールが20種類近くもある。欧州ではバルセロナ、レアル・マドリーから、リバプール、マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、バイエルン……、南米でもサントス、インテル・ナシオナル、ボカ・ジュニオルスなど多士済々。しかしミランのように全世代対応のチームを作り、クラブ組織と同様の形で活動をするのは初めてのケースだ。

 そもそも同アカデミーは、発足当初から地元と密接な関係を築いてきた。ちょうど5年前に千葉県佐倉市に岩名運動公園が誕生。マラソンで高橋尚子や有森裕子らを育てた小出義雄監督(故人)や野球の長嶋茂雄氏を輩出した土地柄だけに、サッカー界からも優れた選手を育てようというアカデミーの趣旨は、佐倉市長をはじめ地元の人たちからも好意的に受け入れられた。一昨年には佐倉市と地域連携協定を締結。アカデミーが優先的に人工芝の岩名球技場を使用する一方で、知的障害を持つ子供たちや市民を対象としたサッカー教室やイタリア語教室を企画し、さらには市の祭りなどのイベントにもスタッフが積極的に協力してきた。

「サッカー教室とイタリア語講座をセットにして、ゲーム形式で楽しみながら言葉も覚えてもらおうという試みですが、今まであまりサッカーが好きではなかったという高齢者の方からも、今度は子どもや孫を連れてくるよ、などと喜んでいただきました」(同アカデミー・長内秀樹コーチ)

 アカデミーには、ACミラン本体が派遣したルカ・モネーゼ氏がテクニカル・ディレクターとして常駐。同氏はヴェローナ大学のスポーツ科学部を卒業し、UEFAライセンスを取得。セリエAのクラブでの指導を経て来日して7年目になるので、イタリアと日本両国の育成事情を熟知している。また年に2回は本体のアカデミーで研修を受け、最新式のアプリケーションを駆使して随時更新される最先端のメソッドや理論などを本体から入手しており、佐倉のアカデミーでも科学的で合理的なトレーニングが行なわれている。

 モネーゼ氏が、一般的な日本の現場との違いについて言及した。
「日本では自分の体験をそのまま伝えているケースが目立つが、そこには研究、実験を経た科学的な検証がない。また年齢やカテゴリーを問わず、誰にでも万能なトレーニングであるかのように指導している。選手の特徴を生かすより、指導者の押しつけやチームの決まり事ばかり教え込む傾向が強く、ある程度テクニックは身につくが、結果として同じような選手ばかり育ってくる」
 

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