中盤の構成力低下が顕著なバルサ。ブスケッツはその「最大の被害者」だ【現地発】

カテゴリ:連載・コラム

エル・パイス紙

2019年10月21日

アルトゥールはブスケッツの邪魔を

インサイドハーフの定位置を確保したアルトゥール。しかしブスケッツとの連携という面では……。(C)Getty Images

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 ブスケッツのプレーは常にロジカルだ。ストリートで鍛え上げられたインテリジェンスも駆使して、自ら課されたタスクを攻守にわたって確実にこなし、4-3-3システムにおけるアンカーというポジションではいまなお第一人者であり続けている。
 
 今シーズンはそのポジションにデヨングが起用されるケースが増えているが、彼はタイプ的にはインサイドハーフ向きの選手だ。アンカーを務める選手が本来ケアしなければならないDFライン前のスペースを空けてしまう場面が少なくないのもそのためだ。
 
 一方、アルトゥールはバルサではインサイドハーフとして主に起用されているが、本能からかアンカーのように振る舞う傾向があり、ブスケッツの邪魔をしてポジションがかぶるという問題が起きている。現状は3人の連携が有機的に図られているとは言い難く、それが中盤の構成力の低下に繋がっている。
 
 ブスケッツは長きにわたってバルサのバロメーター的な存在であり続けた。彼が中盤を仕切ることができれば、それはすなわちチームが機能していることを意味する。その逆の事態が起きているのが今シーズンであり、つまるところバルサの巻き返しとブスケッツの復調は切っても切れない関係にある。
 
 勝っても負けても、試合のコントールを頻繁に失ってしまう。そんなプレーのバタバタ感が続いているからこそ、バルサにはブスケッツの理路整然としたロジックが必要なのだ。
 
文●サンティアゴ・セグロラ(エル・パイス紙)
翻訳●下村正幸
 
※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙の記事を翻訳配信しています。
 
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