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「俺が知っているバルサじゃない」U-19監督ビクトール・バルデス電撃解任の真相――斬新すぎる戦術でクライファートと口論し…【現地発】

カテゴリ:連載・コラム

エル・パイス紙

2019年10月21日

未知のメソッドに多くの選手は戸惑いを

わずか80日に職を解かれたバルデス。必然の結果とも……。(C)Getty Images

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「これは俺が知っているバルサじゃない」

 7月の終わりのことだった。フベニールA(U-19)の指揮官としてバルセロナに復帰して1週間が経過した頃、ビクトール・バルデスは親しい友人にこう打ち明けながら、自身の古巣での監督生活が長くは続かないことを早くも察し始めていた。

 その予見通り、クラブは現地時間の10月7日、現役時代に21のタイトルをもたらし、史上最多タイの5度のサモーラ賞(最少失点率のGKに贈られる賞)を受賞したレジェンドの監督就任から80日でのスピード解任と、後任としてフベニールBを指揮していたフラン・アルティガの内部昇格を発表した。
 
 直接の引き金になったのは今月4日に育成部門の最高責任者であるパトリック・クライファートとの間で繰り広げられた口論だ。その激しいトーンにその場に居合わせた者も驚いたほどで、この時点でもう解任は時間の問題だった。

 バルデスは昨夏、EDモラタラスで監督キャリアをスタートさせた。そして1年目からマドリードの地域リーグとカップ戦の制覇に導くなど手腕を発揮。バルサ復帰に当たっても、その2冠の原動力となった自らが発案したメソッドを持ち込もうと考えた。各選手がチェスの駒のようにシステマチックに動く斬新的な戦術だ。

 しかし、バルサではすべてのカテゴリーで戦術の統一化が図られているのは公然の事実であり、新監督がレクチャーする未知のメソッドに多くの選手は戸惑いを見せた。

 バルデスが独自性を発揮したのは戦術面だけではない。選手起用でも、将来のホープと目されているイライシュ・モリバをスタメンから外したり、ハーフタイムで3枚同時に交代枠を使ったり、クラブの方針を無視した決断を繰り返した。システムにおいても、すべてのカテゴリーで確立されている4-3-3ではなく、4-4-2を採用することを躊躇しなかった。

 こうした独断ともいえる采配はクライファートを筆頭とする首脳陣や同僚のスタッフの理解を得られることはなかった。もともと知名度の高さを自らのイメージアップに利用しようとしたジョゼップ・マリア・バルトロメウ会長の肝いりで招聘された経緯も重なり、バルデスは孤立を深めていった。
 
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