【岩本輝雄】“3位対4位”対決はマリノスに軍配。3-0で完勝できた理由は?

カテゴリ:連載・コラム

岩本輝雄

2019年09月16日

CBのチアゴは、かつてのザーゴみたいだ

サンフレッチェに3-0で完勝したマリノス。1点取ってからは、完全にペースを握ったね。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 一方のマリノスは、とにかく選手同士の距離感がいい。最終ラインからのビルドアップも、ダブルボランチと両SBがうまく絡んで、テンポ良くボールを動かしていく。
 
 サンフレッチェが高い位置からハメにきた時間帯があった。自陣で奪われそうな感じがなかったとは言わないけど、それでも上手く相手のプレスを外して、攻撃につなげることができていた。
 
 その攻撃陣では、トップ下のマルコスが効いている。今回はゴールがなかったけど、良い位置でボールを受けて、しかもそこから前を向けるから、やっかいだ。さらにCFには切れ味鋭い動きが特長の仲川、両サイドには突破力のあるエリキと遠藤がいる。攻撃的なサッカーを機能させる“役者”が揃っている。これは強いよ。
 
 遠藤に関しては、前半は抑えられていたけど、それでも果敢に仕掛ける姿勢を見せていた。それがジャブになって、後半のハイパフォーマンスにつながったと思う。均衡を破る仲川の先制点も、左サイドで抜け出した遠藤のアシストから。マリノスらしい見事な崩しだった。
 
 1点取ってからは、もう完全にマリノスのペース。2点目を決めたティーラトンも、代表帰りとはいえ、調子は良さそうだね。
 
 以前、このコラムでティーラトンについて「中に絞ってボールを受けるなど、戦術は理解できているとは思う。でも、そこからの展開でイージーなミスが散見されたし、判断も遅いように感じた」と書いたことがあった。その時からは見違えるほど、チームにフィットしているし、本人のパフォーマンスも上がってきていると思う。ゲームメイクも含めて、SBがあそこまでできると、チームは助かるよ。
 
 DF陣では、CBの畠中もチアゴもいい。特に、チアゴ! この試合に関しては、もちろん良い意味でJリーグレベルではなかった。スピードもあって、フィジカルも強い。ヨーロッパでも十分通用すると思った。昔で言えば、かつてレイソルでプレーし、セリエAのローマやブラジル代表でも活躍したアントニオ・カルロス・ザーゴみたいだね。
 
 とにかく、今回はマリノスの強さが存分に発揮された試合だった。残りのホームゲームは3試合。そのうちの2試合は三ツ沢だ。選手にパワーをくれる三ツ沢でしっかり勝って、他のゲームでも粘り強く勝点を稼ぐことができれば、優勝もあるかもしれないね。
 
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