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「良心の呵責もない」大ブーイングのなかで芸術的な決勝点を叩き出したネイマール。それでも周囲を納得させるには…【現地発】

カテゴリ:メガクラブ

結城麻里

2019年09月15日

無視し続けてきたミックスゾーンに姿を現したが…

ゴールを決めたネイマールの表情は晴れやかだったが……。 (C)Getty Images

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 試合は0-0のまま進み、パリSGの“失敗”に終わるかと思われた。ところがアディショナルタイムの92分、ネイマールが鮮やかなオーバーヘッドで決勝点となるゴールを決めると、ランドローは叫んだ。

「これがネイマールです! 観衆も拍手しています! もう芸術作品です!。この1点はパリ・サンジェルマンにとってターニングポイントだと思いますね。これからビッグなパリが見られますよ。今日がスコアレスドローなら別でしたが、このゴールで好転します」

 試合直後に放送された同局の特別番組『CANAL SPORTS CLUB』は、試合前の緊張した面持ちから試合後の笑顔まで、ネイマールだけを追い続けた独自映像を公開。次いで「天才の一発だった!」「とはいえ最初は緊張気味だったぞ」「いや、まるで意に介していなかった」と、ネイマールの復帰戦を議論した。ここでもランドローは、「天才ですよ。今日この日にこんなゴールを決めたんですから」と感心しきりだった。

 けれども、フランス最大のスポーツ専門テレビ局『LA CHAINE L’EQUIPE』の討論番組は、やや趣が異なっていた。「彼のゴールはカーシュ・ミゼール(みすぼらしさをとりあえず隠すマント)か」の問いに、カリーヌ・ガリ女史が「完全にカーシュ・ミゼールよ!」と断言し、「パリ・サンジェルマンのプレーにはスピードも攻撃チャンスも何もなく、GKナバスに救われたおかげで最後にこのゴールが生まれただけ」と手厳しかった。

 また直後に、ネイマールがこれまで無視し続けてきたミックスゾーンに出現することがわかると、「お、これは何か釈明するのではないか?」(『L’EQUIPE』のギヨーム・デュフィ記者)と期待の声があがった。しかし、『France FOOTBALL』誌のデイヴ・アパドゥー記者は「ないない、ネイマールにとってフットボールはビジネス。その必要性からメディアの前に出現するだけで、良心の呵責を感じているとは思えない」と述べた。

 結果は、後者の予想どおりだった。ネイマールは、記者の質問に対して、「サポーターが口笛を吹こうが、彼らの勝手。今後も僕は、気にもかけない」と言ってのけたのだ。これで「要するに良心の呵責もなければ、これまでの言動を後悔してもいないという意味になる」「個人的には、ネイマールが大好きで大嫌いだ」という結論になった。

 チームメイトのイドリサ・ゲイエは、「彼のためにも、チームのためにも嬉しいよ。(あのゴールは)最良の回答だったと思う。才能にものを言わせたわけだからね」とにコメントしている。

 だが、どうやらネイマールは、あの芸術的なアクロバットゴールをもってしても、周囲の評価を覆すには至らなかったようだ。この事態は、おそらく1試合では解決しない。

 ファンやメディアが納得するとしたら、それはネイマールの活躍でパリSGがチャンピオンズ・リーグを制した時なのかもしれない。贖罪の道は、遙かに長そうだ。

文●結城麻里
text by Marie YUUKI
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