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バルサを襲う「ネイマール狂騒曲」の余波。最大の“被害者”となったのは…【番記者レポート】

カテゴリ:連載・コラム

エル・パイス紙

2019年09月10日

新たにモチベーションを喚起する必要に迫られている

開幕3戦で勝点4と出遅れたバルサ。ネイマール騒動の影響は少なからずあったはずだ。(C)Getty Images

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 移籍市場がクローズし、バルセロナが全力を挙げて取り組んでいたパリSGのネイマールの復帰オペレーションは失敗に終わった。

 この騒動は夏を通じてクラブ全体を揺るがし続けたが、なかでももっとも大きな被害を被ったのは指揮官のエルネスト・バルベルデだ。2年前の着任早々に退団し、攻撃の再構築を余儀なくされる要因を作った張本人が今度は復帰を画策。ラ・リーガが8月18日に開幕してからもネイマールの復帰話が亡霊のようにチームに付きまとい、その余波は指揮官の采配にも拡大した。事実、この騒動下で行われたラ・リーガの3試合でバルサはすでに勝点5を喪失(1勝1分け1敗)。スタートから大きく躓いている。

 もちろん重要なのはこれからだ。バルベルデ監督はこの遅れを取ったチームをこれから急ピッチで仕上げていかなければならないが、課題はまさに山積している。ネイマールの復帰オペレーションと並行してクラブは、オーバーブッキング状態にある中盤の人員整理を進めていたが、最終的に退団したのはラフィーニャのみ(セルタへレンタルで移籍)。

 31歳という年齢もありその最有力候補に浮上していたイバン・ラキティッチは、ネイマールの交換要員として差し出されそうになった挙句に、結局残留。同じくパリSGとの交渉のテーブルに名前が挙がっていたウスマンヌ・デンベレ、サミュエル・ウンティティ、ジャン=クレア・トディボとともに指揮官は新たにモチベーションを喚起する必要に迫られている。
 
 その中盤では今シーズンから定着させる構想があったセルジ・ロベルトがオサスナ戦(第3節)の後半頭から右SBに起用された。恵まれた身体能力を活かした守備範囲の広さに魅力がある一方で、戦術眼やポジショニングにいまだに不安を抱えるセメドの不安定なパフォーマンスを目の当たりにして講じた窮余の策であったが、中盤に人材が余っていることもあり、早くも構想は頓挫の気配を漂わせている。

 ジョルディ・アルバも含めて両SBの背後を突かれて、単純なクロスからの失点が頻発する守備の構造上の課題も未解決のままだ。これは前線と中盤が連携してコンパクトに圧力をかけることができないというプレスの精度の低さも関係しており、DFラインがずるずると下がる結果となっている。

 その前線のプレスはカルレス・ペレスとアンス・ファティと活きのいい若手がプレーすることで改善されたが、リオネル・メッシ、ルイス・スアレス、デンベレといった主力組が怪我から復帰すれば、問題が再燃するのは避けられない。
 
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