【現地発】躍動する2人のカンテラーノは“迷走する”バルサの一筋の光明だ

カテゴリ:連載・コラム

エル・パイス紙

2019年09月08日

ラ・マシアへの原点回帰の必要性を訴えるメッセージに

オサスナ戦でトップチーム初ゴールは決めたファティは、クラブ史上最年少得点記録を更新した。(C)Getty Images

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 もちろんバルベルデ監督がここまでカンテラ色の強い布陣を並べたのは、メッシ、スアレス、デンベレの3選手が怪我で欠場したことと無関係ではない。彼らが怪我から復帰すれば、C・ぺレス、ラフィーニャ(移籍期限最終日の9月2日にセルタへのレンタル移籍が決定)といった選手がスタメンの座を維持するのは難しくなるだろうし、三者三様それぞれが特殊な能力を備えている以上、ピッチで展開されるサッカーも自ずと変化するのは避けられない。

 とはいえ、カンテラーノたちの活躍は無視できない。最終的に引き分けに終わった(2-2)とはいえ、続く第3節のオサスナ戦でも、ベティス戦でトップチームデビューを果たしたアンス・ファティが後半開始から出場し、同点ゴールを決める救世主的な活躍を見せた。
 
 故ヨハン・クライフが独自のプレーモデルを導入して以来、バルサではことあるごとに彼の残したレガシーがクラブの、そしてチームの礎となってきた。だからこそバルサの首脳陣はそのレガシーの象徴でもあるラ・マシア(バルサの下部組織の総称)出身の選手をベースにしながら、メッシに代表される特殊能力を持つ主力が違いを作り出すことができるチーム作りを進める義務がある。

 しかしながら、バルトメウ会長をはじめとするフロントのリーダーシップの欠如や移籍市場のバブル化などが原因でその原点を見失っているのが現状であり、そしてその結果が現在の補強の迷走である。そんななかで見せたC・ペレスとファティが見せた活躍は、バルサにラ・マシアへの原点回帰の必要性を訴える何にも勝るメッセージになったと言えるはずだ。

文●ディエゴ・トーレス(エル・パイス紙)
翻訳●下村正幸

※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙の記事を翻訳配信しています。
 
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