【現地発】躍動する2人のカンテラーノは“迷走する”バルサの一筋の光明だ

カテゴリ:連載・コラム

エル・パイス紙

2019年09月08日

重鎮たちを満足させたいという目的のためだけに…

16歳のファティ(左)と21歳のC・ペレス(右)。主力の欠場が続くバルサで眩い光を放っている。(C)Getty Images

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 近年のバルセロナは補強で迷走を繰り返している。パウリーニョ、ジェリー・ミナ、マウコムが加入から1年強も経たないうちに退団すれば、ケビン=プリンス・ボアテング、ジェイソン・ムリージョのように一体何のために入団したのか分からない選手もいる。

 フィリッペ・コウチーニョとアンドレ・ゴメスのふたりは、鳴り物入りで迎え入れられながら、期待に応えられないままクラブを離れた。そして極めつけは今夏のネイマールの再獲得を巡る騒動だ。ジョゼップ・マリア・バルトメウ会長はリオネル・メッシを筆頭とする重鎮たちを満足させたいという目的を叶えるだけのために無謀なオペレーションに挑み、そして跳ね返された。

 フロントがあらゆる状況を度外視したチーム作りに奔走している間、選手たちはプレシーズン期間中、じっくり腰を落ち着けて練習する間もなく、日本、アメリカへと立て続けに長距離遠征を敢行。疲労と負担を増長させ、アメリカ遠征への参加を見送ったメッシを含め、ルイス・スアレス、ウスマンヌ・デンベレと前線に怪我人を続出させる事態を招いている。
 
 そんななか、開幕戦のアスレティック・ビルバオ戦(0‐1)を落として迎えた第2節のベティス戦で勝利に貢献したのが、他でもないカルレス・ペレス、セルヒオ・ブスケッツ、ラフィーニャ、セルジ・ロベルトといったカンテラ―ノ(バルサの下部組織出身者)たちだった(5-2で勝利)。

 この日のバルサはハイプレスやハイポゼッションを取り戻し、相手守備陣を蹂躙し続けた。中盤ではブスケッツがラインを押し上げてボール奪取に奔走するとともに、攻撃でも軽快なボールさばきで組み立ての起点となりながら、一瞬の判断から繰り出されるラストパスで決定機を演出した。

 さらにその恩恵を受けセルジ・ロベルトとフレンキー・デヨングの両インサイドハーフがいつもよりも高い位置を保ちながら、機を見てフィニッシュにも顔を出せば、両ウイングのラフィーニャとカルレス・ペレスが積極的にサイドから仕掛けた。

 そして前線ではアントワーヌ・グリエーズマンが怪我で欠場したメッシ役を遂行するだけでなく、守備でも率先してプレスを実行した。こうして全ての選手がハードワークに徹したことで、この日のバルサのプレーからは久しく見ることができなかった躍動感やバイタリティーが漲っていた。
 
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