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加賀健一が復帰した山形は間違いなく堅くなる! J1昇格への機運をもたらす守備の要は何が凄いのか?

カテゴリ:Jリーグ

嶋 守生

2019年08月23日

「組織で守っていても、最後は個だと思っている」

 加賀がディフェンスラインに加わると一体何が変わるのか。
 
 ひとつは、「前に行くタイミングやラインを下げる時、上げる時に健ちゃんが一言言ってくれるから助かる」(本田)というラインコントロールなどの守備の統率力がある。
 
 今でこそ栗山を中心に、加賀がいなくてもラインコントロールはしっかりできているが、18年に守備を立て直した時には、「ここまで上げろ」と栗山や熊本に厳しく言ってラインを上げさせるなど、加賀の統率力に当時のチームは大きく助けられた。その影響力は今年も健在だ。
 
 もうひとつは加賀が個の守備力をもたらすことだ。今年に限れば、守備の連係はそこまで大きな問題はなかった。大宮戦でシモビッチに2ゴールを決められたり、セットプレーの球際で競り負けてこぼれ球を押し込まれたりと、個で押し切られる失点が多かったからだ。
 
「大事なのは連係よりも個のところだった」と加賀。「サッカーをやる上で、組織で守っていても、最後は個だと思っている。際のところで絶対に負けないようにと話した」と、選手たちを鼓舞している。
 
 もちろん、加賀自身も個で簡単にやられない。1対1のマッチアップだけでなく、背後のスペースを狙うボールにも的確な予測からくるポジショニングと鋭い出足で追いつき、長い足のスライディングでカバーリングが間に合う。
 
「健さんの守備範囲も考えつつ、右サイドならある程度ラインが高くても大丈夫だし、そこは健さんの能力に助けられていると思います」(栗山)と守備範囲が広いので、加賀のいるサイドでは簡単にスペースを与えることがないのだ。
 
 「相手が健のサイドを崩すのは簡単ではなくなったと思う。守備がアラートになったことにも貢献してくれている」と立ち直った守備について木山監督は話す。
 
 自身の守備力を活かしながら、組織的な守備網を敷く山形に欠けがちだった個を引き締めているのが今の加賀。個で簡単に剥がされないからこそ堅い守備網を維持できる。そんな守備の大原則を自ら体現してくれている。
 
 リーグは残り14試合。首位から陥落した山形は、前期とは違い勝点11差で上位を追う立場になった。しかし、昨年から培ってきた堅守が戻り、そこに加賀という守備の要が加わった山形が、ここからもう一度巻き返す可能性は十分にある。
 
 今年は前期首位ターンから昇格を逃した12年の再来などと言われているが、当時は加賀健一のようなヒーローは現われなかったのだ。
 
「個人的にも、もう1段階スピードを上げられる。夏場はしっかり100%を出し切って、涼しくなってくれば、本来の自分の姿に戻ってくるはず」(加賀)
 
 モンテディオ山形の昇格争いは、加賀が上昇気流をもたらしてくれるここからが本番になるだろう。
 
取材・文●嶋 守生(フリーライター)
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