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“常勝軍団”鹿島&“ベンチャー企業”メルカリの新タッグが船出!! 経営権譲渡が映し出す未来は?

カテゴリ:Jリーグ

岡島智哉

2019年08月30日

「400分の1」から「4分の1」の存在に

体制が変わっても、勝利にこだわる姿勢は変わらず。「自分たちはピッチに集中するだけ」(伊藤翔、背番号15)だ。(C)SOCCER DIGEST

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 日本製鉄側はこれらを総合的に判断し、「Jリーグも共存から競争の時代になった。(鹿島が)世界で戦い続けるためには経営基盤の強化、価値を高める具体的な方策が必要と考え、新たな展開、新しいパートナーを迎え入れることが最良の方策との結論に至った」(日本製鉄・津加宏執行役員)という。1947年に住友金属工業蹴球団から始まった運営母体の役割を終える決断に至る。譲渡の条件として挙げたのが①本拠を変えない。②地域密着の理念を継承すること。メルカリが名乗りを挙げ、アントラーズが乗った。メルカリの子会社は鹿島で4社目。「400分の1」から「4分の1」。経営判断のスピード化が期待できる。
 
 鹿島は「世界」に視野を広げている。2018年度の営業収入は、神戸、浦和に次ぐクラブ史上最高の約73億3000万円。前年度比約20億円アップだった。賞金や移籍金収入が大幅に増加した背景もあるが、広告料収入や入場料収入も前年度から大きく数字を伸ばした。
 
 それでも、ACLを制し、2度目のクラブワールドカップに出場した昨季の経験から、鹿島は日本で突き抜けた存在になるだけでなく「世界」を見据えた体制を作る将来像を掲げた。庄野洋社長は「(営業収入)100億を目指す。世界で戦うための最低限のライン」と宣言している。
 
 鹿島は勝利につながる言動だけが許されるクラブだ。今回の経営権譲渡も、勝利のため。「100億円のために勝利を目指す」のではなく、「勝利のために100億円を目指す」。業界騒然のメルカリの参入はそのための手段のひとつに過ぎない。
 
 FW伊藤翔が「自分たちはピッチに集中するだけ」と語るように、選手たちは目の前の試合を勝ちにいく。日本製鉄でもメルカリでも、やることは変わらない。そして「『全ては勝利のために』という鹿島の哲学の中で、世界に出るためにビジネスをしっかり回し、そのお金でチームを強くする」と語る小泉社長はビジネスで勝ちにいく。どれだけの札束を積んでも得られない哲学・伝統が鹿島にはある。その礎を壊さず、ビジネス面で世界と戦う土壌を作りたい鹿島と、世界でのシェア拡大を目指すメルカリが手を組む。
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