純粋なゾーンディフェンスの先駆的な存在。
ジャンパオロはビッグクラブの指揮を執るのは初めてだが、セリエAとBで10年以上のキャリアを重ねており経験値は十分。戦術的にも、敵をまったく見ずボールと味方の位置関係だけに基準点を置いた純粋なゾーンディフェンスの先駆的な存在であり(ユベントス新監督のマウリツィオ・サッリの守備戦術も彼から「盗んだ」ものだ)、また攻撃の局面でもペップ・グアルディオラの思想に影響を受けたポジショナルプレー志向の強いメカニズムを追求する。伝統的にポゼッション重視の攻撃サッカーを好むミランのカルチャーには打って付けだ。
そして最も重要なのは、選手の戦術感覚を磨き、成長させる手腕だ。ジャンパオロはエンポリでピエトロ・ジエリンスキ(現ナポリ)、レアンドロ・パレデス(現パリSG)、マリオ・ルイ(現ナポリ)、昨シーズンまで3年間率いたサンプドリアでミラン・シュクリニアル(現インテル)、ルーカス・トレイラ(アーセナル)、ヨアキム・アンデルセン(現リヨン)、デニス・プラートなどをブレイクさせた実績を持っている。
そして最も重要なのは、選手の戦術感覚を磨き、成長させる手腕だ。ジャンパオロはエンポリでピエトロ・ジエリンスキ(現ナポリ)、レアンドロ・パレデス(現パリSG)、マリオ・ルイ(現ナポリ)、昨シーズンまで3年間率いたサンプドリアでミラン・シュクリニアル(現インテル)、ルーカス・トレイラ(アーセナル)、ヨアキム・アンデルセン(現リヨン)、デニス・プラートなどをブレイクさせた実績を持っている。
それと比べると他の候補者は、戦術的な方向性がミランの志向とズレている(S・インザーギ、ディ・フランチェスコ)、スタイルは合うが経験不足で安定感がない(デ・ゼルビ)、年俸が高くイタリア未経験(ジャルディム)など、いずれも見劣りする部分があった。招聘可能な候補の中で最も現在のミランにマッチした指揮官は、ジャンパオロと言っていいだろう。
文:片野道郎
※『ワールドサッカーダイジェスト』2019年7月4日号より一部修正・転載
文:片野道郎
※『ワールドサッカーダイジェスト』2019年7月4日号より一部修正・転載