【考察】デリフトはなぜユベントスを選んだ? バルサの「ステータス」、パリSGの「カネ」を蹴って…

カテゴリ:メガクラブ

片野道郎

2019年07月23日

「いま自分にとって何がベストか」で考えると…。

バルサやパリSGも狙っていたデリフトだが、最終的にはユベントスに移籍した。(C)Getty Images

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 ほぼすべてと言っていいメガクラブが獲得を狙うなど、今夏の移籍市場における「最注目銘柄」のひとりだったアヤックスのCBマタイス・デリフト。当初はバルセロナ、続いてパリSGへの移籍が濃厚と伝えられてきたが、6月末になって「伏兵」と言えるユベントスへの加入話が急浮上してきた。

 そして7月18日には、ユベントスとの5年契約が発表される。クラブが発表した移籍金は7500万ユーロ(約93億7500万円)、ミーノ・ライオラ代理人への手数料は1050万ユーロ(約13億1250万円)で、年俸は750万ユーロ(約9億3750万円)+ボーナス450万ユーロ(約5億6250万円)、3年目以降に適用される違約金は1億5000万ユーロ(約187億5000万円)と報道されている。

 契約内容レベルで決め手になったのは、19歳のCBとしては破格の高年俸に加えて、1億5000万ユーロから年々上昇する契約解除違約金の設定で合意したこと。最後に一番の競合相手だったパリSGは、年俸ではより好条件を提示していたものの、リーグ・アンが契約解除違約金の設定を認めておらず、ライオラが要求したこの条件を呑めなかったことが痛恨だったようだ。

 クラブの格ではバルサに、資金力ではパリSGに後れを取るユーベが、なぜ熾烈を極めた獲得競争に勝利できたのか。それを理解するには、いくつかの角度から移籍を巡るメリットとデメリットを評価する必要がある。

 クラブのステータスという点では、現時点でユーベはバルサに劣っている。バルサのブランド力はR・マドリー、マンチェスター・Uと並んで世界屈指で、その点ではどんなプレーヤーにとっても望みうる最も高いステージだろう。

 しかし、まだ19歳のデリフトにとっては、このタイミングで最高到達点に達するのがはたしてベストか。実際に本人は移籍決定前、『ムンド・デポルティボ』紙のインタビューでこう語っていた。

「僕にとって一番重要なのは、たくさんの試合に出られるかどうか。バルセロナには偉大なディフェンダーがたくさんいる。競合があるのは当然だし、怖くもないけど、いま自分にとって何がベストかを考える必要がある」

 さらに言えば、バルサというチームは、超攻撃的ゆえに守備の局面、とくにネガティブ・トランジション(攻→守の切り替え)時の被カウンターなどでは、DFの個人能力に状況の解決を依存する。逆に言えば守備戦術のレベルは褒められたものではなく、むしろ常に個人としての責任を問われる。

 つまり完全に出来上がったDFでなければ、バルサでプレーするのは簡単ではないのだ。「いま自分にとって何がベストか」という観点に立った時には、最良の選択とは言えない。それはマドリーやマンチェスター・Uでも同じだろう。

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