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CLプレミア決戦は遠い別世界の出来事ではない!? スパーズ&リバプールと日本の浅からぬ因縁とは?

カテゴリ:連載・コラム

加部 究

2019年05月31日

リバプールは来日3度も無冠。日本の芝生との相性が…

今季の両者はプレミアリーグでの2度の対戦でリバプールが2勝。果たして大一番で笑うのは……。(C) Getty Images

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 一方リバプールの来日も同じく3度だが、こちらはいずれも欧州チャンピオンとしてタイトルを争っている。ただしいずれもタイトル奪取には失敗。南米王者との一発勝負だったトヨタカップ(インターコンチネンタルカップ)時代には、1981年、1984年の2度、クラブワールドカップに変わってからも2005年に出場し、3回連続で南米代表に屈した。
 
 特に1981年は、ジーコ、ジュニオール、ヌネスら豪華メンバーを擁すフラメンゴに0-3で完敗。まだ欧州、南米ともに優秀なタレントが自国のクラブでプレーしていた末期のことで、良く整備された芝を主戦場とする英国系の選手たちには、冬枯れで凹凸の出来た国立のピッチは、乗り越え難い障害になってしまっていたようである。
 
 リバプールは、サポーターが熱唱する「You’ll never walk alone」に象徴されるようにホーム愛の強いチームで、外国人を獲得する際にもクラブを愛している条件が最優先されて来たという。リバプール出身で、現在日本でデザイナーとして活躍しているトニー・クロスビー氏は、かつてホームグラウンドの2つのロッカールームを見学したことがあるが、あまりの違いに目を丸くしたそうだ。
 
「ホーム側は広くて、絨毯が敷かれ、風呂も2つ。一方アウェー側は狭い、汚い、暗いと3拍子揃っていた。スタジアムツアーのガイドも“大丈夫、アウェーの選手たちは、みんなホームの方も同じだと思っているから”とジョークを飛ばしてました」
 
 その後、アウェーのロッカーが改修されたかは確認出来ていないが、こうして好条件や熱いサポーターを味方に、自大陸では何度も伝説を紡ぎ出して来た。
 
 ちなみにリバプールで最も古いクラブはエバートンで、最初はアンフィールドを使用していた。ところがアンフィールドの地主だったジョン・ホウルディング(後のリバプール市長)と揉めたクラブが、グディソン・パークに移転。アンフィールドに残ったホウルディングがリバプールFCを新設することになった。希望者はピッチに散骨することが出来るそうなので、アンフィールドでは代々のサポーターの魂も後押ししていることになる。
 
 低迷期から日本が胸を借りてきたスパーズと、日本でも若いファンを着々と増やしているリバプール。マドリードを舞台とするプレミア決戦は、決して遠い別世界の出来事ではなさそうだ。
 
取材・文●加部 究(スポーツライター)
 
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