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【小宮良之の日本サッカー兵法書】プレーを“創造する”モドリッチに「アシストが少ない」という批判は暴論だ

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2019年04月12日

イニエスタや長谷部にも通じるものが。

モドリッチと同様、このイニエスタも時間や空間を操れる名手だ。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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 同じくヴィッセル神戸のMFアンドレス・イニエスタもモドリッチに通じるものがある。選択肢が無数にあるスポーツにおいて、時間や空間を操れるのだ。

「どんな物事についても、拍子があるものであるが、とくに兵法では拍子の鍛錬なしには達し得ないものである」

 剣豪、宮本武蔵は「五輪の書」で、拍子(テンポ)の大切さを深々と説いている。

 モドリッチやイニエスタは、その極意に達した選手と言えるだろう。相手の拍子を知り、自らの拍子を知り、思いもかけぬ拍子で、相手を出し抜く。単純なスピードやパワーを、凌駕できるのだ。
 
 2018年、モドリッチはその力を持って、クロアチア代表をロシアW杯決勝進出に導き、マドリーに欧州3連覇をもたらした。プレーメイキングは自由自在で、幻惑的だった。数字には残らなくとも、存在感は傑出していた。

 バロンドール受賞は当然だろう。

 タイプは違うが、元日本代表MFの長谷部誠もそのポジションによって求められるプレーが的確にできる。賢く、適切な判断を下せるのだ。こうした選手がフットボールの根幹を握っている。

 単純な数字には出ないプレーヤーの力量が、勝利に繋がるのだ。

文:小宮 良之

【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月には『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たした。
 
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