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【小宮良之の日本サッカー兵法書】プレーを“創造する”モドリッチに「アシストが少ない」という批判は暴論だ

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2019年04月12日

セルビアの名将が苦言を呈す

18年のバロンドールに輝いたモドリッチ。CL3連覇とW杯準優勝に大きく貢献した。(C)Getty Images

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 「一体いつから、モドリッチは世界最高のパサーになったんだ? ほとんどアシストを記録していないのに?」

 セルビアの名将ラドミール・アンティッチの、クロアチア代表MFルカ・モドリッチに対する発言が、物議を醸している。

「(モドリッチが)バロンドールを受賞するなんて、正直、思っても見なかった。まったく意味が分からない。アシストも、ゴールも大してしていない選手なのにね」

 セルビア人とクロアチア人ということで、ナイーブな問題があるのだろうか。

 それにしても、名将アンティッチとは思えないほどざっくりしすぎた意見である。彼の攻撃戦術は一時代を謳歌した。レアル・マドリー、FCバルセロナも率い、セルビア代表監督としてワールドカップにも出場。とりわけ、1995-96シーズンに率いたアトレティコ・マドリーではヨハン・クライフのバルサを凌駕し、ドブレテ(ラ・リーガとコパ・デル・レイの2冠)を獲得。その偉業は、いまもサッカー史に燦然と輝いている。

 アシストやゴールという数字に結果が出ない選手は、バロンドールに値しないのだろうか? それは暴論に近い。例えば、GKやCB、SBなど守備的なポジションの選手が取るケースは珍しいが、彼らも評価されて然るべきだろう。むしろ、ストライカーへの礼賛が行き過ぎている。

<ピッチでプレーを創り出す>

 モドリッチはその仕事の質が極めて高い。正しいポジションを取って、ボールを呼び込み、迅速に弾き出し、味方にアドバンテージを与える。プレスを掻いくぐって、攻撃を円滑に動かす。それは名人芸だ。

 
「モドリッチは2列目でも3列目でも、プレーのスピードやスタイルを変えられる。場所によって、求められる仕事が変わるのだが、それに適応できる。そういう選手は多くはいない」

 ヴィッセル神戸のファン・マヌエル・リージョ監督はそう説明していたことがあった。

 例えば、ボールを失わないことによって周りは走れる。例えば、必ずいて欲しいところでボールを受け、出して欲しいところに出してくれる。それによって、プレーは循環。周りの選手にとって拠り所になるのだ。
 
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