2度目のJ1となる今回は「頑張りました、でもダメでした」では済まされない。
1トップの永井龍は慎重に言葉を選びながら、半ば無意識下にあった「ほころび」を指摘する。そもそも松本は、1勝1分とまずまずの滑り出しでルヴァンカップも含めた5連戦に突入。だがこれで公式戦3連敗となった。「あれ、できるんじゃない? というところがふんだんに悪く凝縮されて出た試合で、できないことを堂々とやれるようにやってしまった。初戦の頃のような、がむしゃらでアグレッシブな部分も忘れつつあった感じがする。ほんの少しだし、みんなそんな気も全くないと思うけど、こういう一瞬の隙で勝つか引き分けるか負けるかが決まって、34節が終わったときに本当に痛い目を見てしまう」という。
確かに広島戦は、そうだった。ボールは持っても危険なエリアに差し込むような縦パスは出ず、前線にしても相手の最終ラインを手こずらせるような効果的なスプリントは数えるほど。うまく守られた……と言えばそれまでだが、2度目のJ1となる今回は「頑張りました、でもダメでした」では済まされない。現場の選手やスタッフも、それは先刻承知済み。テーマに掲げる「インテンシティ」で質的不利をカバーしながら愚直に泥くさく、かつ戦術的に勝ち点を拾っていく必要がある。
確かに広島戦は、そうだった。ボールは持っても危険なエリアに差し込むような縦パスは出ず、前線にしても相手の最終ラインを手こずらせるような効果的なスプリントは数えるほど。うまく守られた……と言えばそれまでだが、2度目のJ1となる今回は「頑張りました、でもダメでした」では済まされない。現場の選手やスタッフも、それは先刻承知済み。テーマに掲げる「インテンシティ」で質的不利をカバーしながら愚直に泥くさく、かつ戦術的に勝ち点を拾っていく必要がある。
ここで2週間のインターバルがあるのは、仕切り直したい松本にとってはプラスに働くだろう。反町康治監督は「ここで(選手を)替えていかなければおかしい。この2週間で再考する。1試合で判断を下すのはかわいそうではあるが、1試合で決めないといけない」と示唆。幸いにして、スタメンを脅かすだけの戦力は挙げればキリがないほどいる。途中出場で違いを生む杉本太郎や町田也真人のシャドー陣、ルヴァンカップで好パフォーマンスを見せている田中隼磨や安東輝、そして出遅れていた190センチのブラジル人レアンドロ・ペレイラ。こうした新たな力によって競争を生じさせながら、「アグレッシブさ」を取り戻したいところだ。
取材・文●大枝 令(スポーツライター)