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【岩本輝雄】マリノスは無敗をキープも、肝となる“あのポジション”に小さくない不安が…

カテゴリ:連載・コラム

岩本輝雄

2019年03月12日

後ろが安定しないと、攻撃にも悪影響が

ティーラトンは戦術の理解はできているかもしれないけど、それでも実際のプレーとなると、攻守に不安が拭えなかった。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 マリノスの攻撃陣の出来は概ね、良かったと思う。その一方で、守備に関しては課題が残る内容だったね。
 
 開始4分にはいきなり失点を食らうけど、これはビルドアップのミスを突かれる形だった。GKの飯倉からアンカーの喜田へのパスが乱れて、そこを相手にかっさらわれて、最後はレアンドロ・ダミアンに決められてしまった。
 
 最後尾から大きく蹴らず、パスをつないでいくのがマリノスの特長だけど、当然、フロンターレはそこを狙ってくる。この場面でもフロンターレ側はわざと喜田をフリーにさせておいて、パスが出た瞬間にプレスをかけていた。マリノスは今後、相手のこうした対応をどうやってかわしていくか。状況によっては、ロングボールを織り交ぜていくことも必要になる。その使い分けができれば、ビルドアップもスムーズになるだろう。
 
 やはり、後ろが安定しないと、攻撃にも悪い影響が出てくるもの。その意味では、少なからず不安を覚えたのが、左SBのティーラトンだ。
 
 ここまでの2試合でスタメンだった高野の負傷により、出番が回ってきたティーラトンだけど、機能しているとは言い難かった。中に絞ってボールを受けるなど、戦術の理解はできているとは思う。でも、そこからの展開でイージーなミスが散見されたし、判断も遅いように感じた。
 
 怪我明けでまだまだ本調子でないのかもしれないけど、ここからプレーの質が高まっていかないと、チームとしてはかなり厳しくなるのではないだろうか。マリノスのサッカーは、SBが中に絞って高い位置を取り、相手のマークをかく乱させたり、組み立てに関与したりと、このポジションが“肝”になる。
 
 だけど、厳しい言い方だけど、ティーラトンはまだそのレベルに達していない。守備の反応も少し鈍い。高野が右膝に全治8か月の重傷を負ってしまっただけに、左SBのファーストチョイスになるだろうティーラトンの奮起は絶対に不可欠になる。
 
 たったひとつのポジションの機能不全で、そこをカバーしようと全体のバランスが崩れて、やりたいサッカーができなくなる。今季のマリノスはここまで好調なだけに、良い流れが途切れないように、しっかりと準備して次の試合に臨んでほしいね。
 
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