【横浜】アタッキング・フットボールを支えるGK飯倉大樹の「動」から「静」への進化

カテゴリ:Jリーグ

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2019年03月03日

プレーに関与せずとも集中力を保てるワケは?

集中力を切らさないために、飯倉はこれまで以上にコーチングを意識して、臨戦態勢を整えているという。写真:滝川敏之

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[J1リーグ2節]横浜2-1仙台/3月2日/日産ス

 3-2で競り勝ったG大阪との開幕戦に続き、ホームに仙台を迎えた一戦は2-1の勝利を収めて、連勝を飾った。仙台戦も1点差の勝負を勝ち切ったが、スコア以上に内容で相手を圧倒。71.0%のポゼッション率で主導権を握り、仙台の3倍のシュートを放つ。ワンサイドゲームと言っても、おかしくはない戦いぶりだった。
 
 敵陣でのプレータイムが増えれば、それだけ失点のリスクは減る。アタッキング・フットボールを掲げるチームとしては理想的な展開だが、そうなると必然的に、守備の選手、とりわけGKがボールに触る頻度は少なくなる。
 
「今のサッカーをしていれば、GKのところは、なかなかボールが来ないなかで、時折あるピンチとかクロスに対処しなければならない。ぼんぼんボールが来て、リズムを作るというわけではないから、GKとしては少し難しい部分はある」
 
 横浜の絶対的守護神、飯倉大樹は現状をそう語る。たしかに仙台戦では、プレーに絡む場面は決して多くはなかった。
 
 それでも、何度か際どいクロスが飛んできても、キャッチングやセービングがブレることはなかった。終了間際にPKで失点を喫したとはいえ、試合を通じてプレー回数は少なかったにもかかわらず、最後まで安定感は保たれたままだった。
 
 それができたのは、ボールが来なくても集中力を切らさなかったことが大きい。そのためには、これまで以上にコーチングを意識することで、臨戦状態を整えているという。
 
「ちょっとしたズレのところを、細かく指示したり。ほんの少しのポジショニングの差で、相手も引かざるを得なくなる。そこの駆け引きはあるから」
 
 特に中盤やSBの選手には、「声が届く範囲で」ポジショニングの修正をコーチングする。
 
「(アンカーの)キー坊(喜田拓也)とか、(インサイドハーフの三好)康児とかが、いろいろ“出入り”していると、相手がくっついてきたり、こなかったりする。そこは本当によく見るようにしている。キー坊を前に出せば、例えば(相手の)2トップの片方がちょっと下がる。そうるすと、うちのCB、シン(畠中槙之輔)とかチアゴ(・マルチンス)が空いてきて、自然と相手の陣形も下がるし、カウンターを食らうリスクも減るから」
 
 相手の動き方によって、どこにスペースが生まれるか。そこを効果的に活用するために、フィールドプレーヤーにコーチングして、ポジショニングを微調整する。
「康児に『下がるな!』とか、(左SBの高野)遼に『出ていけ!』とか」

 自分の集中力を切らさないために、いつピンチが訪れても確実に防げるように、コーチングに重きを置く。そうすることで、オーケストラの指揮者のように、味方を動かして、試合を有利に運べるようにする
 
「それが上手くいくと、今日(仙台戦)の前半みたいに相手を押し込めるから。そういうのは楽しいかなと思う」

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