難敵オマーンを徹底分析!森保ジャパンが警戒すべきポイントは?|アジア杯

カテゴリ:日本代表

河治良幸

2019年01月13日

トップ下のアル・ハルディがボールを持って前を向いたら要注意だ

 左サイドバックのアリ・ブサイディは多彩な左足のキックを備えており、チャンスと見ればあらゆる角度からゴール前に上げて来る。しかも、ゴール前を見てスペースよりピンポイントで上げるクロスが多い。左サイドハーフのラエド・サレハと絡む形でペナルティエリアのすぐ外側から上げてくるショートクロスはかなり危険だ。”逆足”のサレハはカットインからシュートに持ち込むだけでなく、アリ・ブサイディを追い越させるなどプレーの引き出しが多い。
 
 右サイドのアル・ムハイニはサイドラインから徹底してクロスを上げていく傾向が強い。右サイドハーフのジャミール・アル・ヤフマディは168センチの小柄なアタッカーで、サイドハーフと言ってもシャドーストライカーのようなポジショニングや飛び出しをするため、相手の左サイドバックがアル・ヤフマディに引っ張られてインサイドにポジションを取れば、アル・ムハイニは右サイドのスペースを単独で運んでクロスに持ち込んで来る。
 
 ただ、左右のどちらからクロスが上がるにしても、ゴール前でターゲットになるのは3人ほどで、例えばボランチの位置から勢い良く飛び込んで来るような意外性はあまりない。左右のサイドバックにクロスを自由に上げさせないことも大事だが、上げられても1トップのアル・ハイリと左利きでラストパスも飛び出しもできるトップ下のアル・ハルディをしっかりとチェックしたうえで、逆サイドから入って来るサレハやアル・ヤフマディにファーサイドから入り込まれないように注意しておけば、それほど脅威にはならない。

 ピムのオマーンが危険なのはそうしたポゼッション志向を持ちながら、ボールを取った時に相手のディフェンスの裏にスペースがあれば、容赦なくロングカウンターを仕掛けて来ることだ。1本のロングパスに対して前の3人、4人が同時的にスプリントしてくる。トップ下で10番のアル・ハルディは縦パスの精度が高く、彼がボールを持って前を向いたら要注意だ。初戦のウズベキスタンも攻守の切り替わりからの対応にかなり苦労していた。
 
 セットプレーはサレハが右足担当、アル・ハルディが左足担当で、アル・ブサイディも左足の質の高いボールを蹴ることができる。CKはゴール前に変化を付けて来る。おそらく策士のピム監督は日本戦用にも仕込んでいるはずだ。
 
 守備はサイドに対しては高い位置からもプレッシャーはかけて来るが、中央は縦を切って来るぐらいなので、ボランチをうまく活用できれば不用意な形でない限り中盤でボールを失うリスクは小さい。むしろ日本が高い位置でチャンスになった直後のセカンドボールなどを拾われると、そこからボールを保持するより裏を狙ってくるところはあらかじめ警戒しておくべきだ。
 
取材・文●河治良幸
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