全力で挑んだ最初で最後の選手権
応援してくれた人たちに何か恩返しをするために――。主将として人一倍の責任感を持つ佐々木は、「自分たちが諦めたら、観ている人に何も与えることができない」と思い胸に秘めて90分間に渡って走り続け、選手宣誓で口にしていた“最後まで全力で戦うこと”を止めなかった。
結果は0-5と大差をつけられたが、高校生活最後の年に迎えた初の檜舞台で、人のために全力を尽くせたからこそ、佐々木の心には一片の心残りもなかった。本人は、「本当にいい経験をさせてもらった」と晴れやかな表情で、最初で最後の選手権を振り返っている。
結果は0-5と大差をつけられたが、高校生活最後の年に迎えた初の檜舞台で、人のために全力を尽くせたからこそ、佐々木の心には一片の心残りもなかった。本人は、「本当にいい経験をさせてもらった」と晴れやかな表情で、最初で最後の選手権を振り返っている。
「抽選会や選手宣誓も含めて、本当に人生で一番の経験をさせてもらえたと思っています。準決勝のピッチで、流経さんと試合をさせてもらえたし、高校サッカーをやってきたなかで、最高の大会になりました」
卒業後は青山学院大学でサッカーを続けるという佐々木。「悔いはないです」とハッキリと言い残して、会場を去っていったその姿は、165センチという身長以上に大きく、そして勇ましく見えた。
取材・文●羽澄凜太郎(サッカーダイジェストWeb編集部)