新大河ドラマ『いだてん』のスタートに想う。1912年五輪、日本と世界のサッカーは──

カテゴリ:連載・コラム

石川聡

2019年01月09日

酷暑の中の大会。暑熱との戦いは100年以上前から…

 また、北欧とはいえ、猛暑の影響を受けた大会だったようだ。

 金栗が出場したマラソンは、気温35度の中で行なわれたと言われ、競技中に倒れて翌日死亡した選手もいたほど。6月30日~7月4日に開催されたサッカーの本大会(注:2回戦までに敗れたチームによる大会が7月1~5日に開催された)も同様で、スウェーデン・オリンピック委員会がまとめた大会公式報告書には「サッカー選手は焼けるような日差しの下では、最高の力を発揮することができない」と記され、「観客も日中より夜のほうが、はるかに良い試合を見ることができるだろう」と、将来に向けて気温の低い時間帯での試合を推奨している。

 決勝のように19時キックオフもあったが、13時半、15時の試合もあり、タッチライン沿いには選手のために水の入ったバケツが置かれたという。英国やデンマークはこの暑さの中、5日間で3試合を戦った。夏季開催の暑熱との戦いは、100年以上前から始まっていたわけだ。

 FIFA公式サイトによれば、ロンドン大会で3333人だった1試合平均観客数は4923人へ伸びた。さらなる成長が期待されたオリンピックのサッカーだが、1916年に予定されていたベルリン大会(ドイツ)は開催されなかった。1914年に勃発した第一次世界大戦によって、主戦場となった欧州はスポーツどころではなくなったのである。

 オリンピックの再開は、1920年のアントワープ大会(ベルギー)まで待たなければならなかった。

文●石川聡
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