すべてを持ったストライカー、ビジャ。“VIPトリオ”結成で神戸に何をもたらすのか?

カテゴリ:Jリーグ

吉田治良

2018年12月27日

勝者のメンタリティを手に入れたのは、やはりバルサでの3年間だった

スペイン代表としてEUROとW杯の両方で得点王に輝いた勝負強さは本物だ。(C)Getty Images

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 第二に、その献身性だ。
 南アフリカW杯で得点王となり、スペイン、いや世界でも最高峰に位置するストライカーとなったビジャだが、その年に入団したバルサで当時のジョゼップ・グアルディオラ監督に徹底的に教え込まれたのが、オフ・ザ・ボールの動きだった。
 
 リオネル・メッシという特別な存在を活かすため、ビジャに与えられたのは3トップの中央ではなく左サイド。ここを起点に何度もDFの裏を突くフリーランニングを繰り返し、それによって空いたスペースにメッシ、さらには左サイドでコンビを組んでいたイニエスタが飛び込んでいく。
 
 いわば囮役となることを、ビジャはゴールゲッターのプライドを捨てて、受け入れた。なぜなら、そうすることで勝利に、タイトルにより近づけると分かっていたからだ。もちろんペップも、ビジャがエゴとは無縁の献身的なストライカーだと知っていたからこそ、獲得を熱望したのだろう。
 
 当然、エリア内で勝負する機会は減ったが、それでもこの2010-11シーズンには18ゴールをマーク。リーガとチャンピオンズ・リーグの二冠達成になくてはならない存在だった。
 

 バルサだけではない。
 S・ヒホンでも、その後のサラゴサ、バレンシア、そしてバルサ退団後に在籍し、18年ぶりのリーガ制覇に貢献したアトレティコ・マドリーでも、行く先々のクラブでビジャが重宝されたのは、彼がゴールだけしか見えない、融通性の低いストライカーではなかったからだ。誰に言われるでもなく、前線からプレスを仕掛けたし、味方にスペースを生み出す労もまったく厭わなかった。
 
 第三に、その勝者のメンタリティだ。
 これまでに獲得したタイトルは、クラブと代表を合わせて12。ルーカス・ポドルスキ、イニエスタに続いて、“勝ち方を知る男”がまたひとり加わったのは、神戸にとって心強いかぎりだ。
 
 いわゆる勝者のメンタリティを、本当の意味で手に入れたのは、やはりバルサでの3年間ではなかっただろうか。移籍1年目のインタビューで、彼はこう語っている。
 
「このチームの選手たちは、もっと勝ちたい、もっと強くなりたいって本気で思っている。『優勝したから、次は連覇を目指そう』とか、そんな長いスパンの話じゃない。ヘタフェにはどう戦うべきか、マドリーには勝てたけど、次のオサスナ戦に勝つにはどこをどう修正して望むべきか……。本当に毎日がそんな感じなんだ。監督やコーチだけがそう言ってるんじゃないところに、このチームの偉大さを感じるよ」
 
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